8章 その9

レナ「えっと・・・・アレ、どうしよっか・・・」
沙都子「後先考えずに行動するのも考えものですわ」
レナ「うっ・・・ごめんね」
沙都子「・・・隠すしかありませんわね」
レナ「隠すって言っても・・・何処に隠すの?」
沙都子「ここが何処だかお忘れですの?」
レナ「あっ・・・そっかぁ! 裏山なら、もしかしたら隠せる場所があるかもしれないね!」
沙都子「ここは私の庭みたいなものですわ。隠せる場所くらい、もう大体の見当はついていましてよ?」
レナ「す、すごーい! すごいよ沙都子ちゃん!」
沙都子「おーっほっほっほ! 当然ですわぁ! このくら・・・」


詩音「早くこの死体を隠しますよ」
沙都子「・・・・・・・・・」
詩音「沙都子、あなたに罪の意識はあります?」
沙都子「・・・・ぅ・・・・・」
詩音「謝っても圭ちゃんは帰ってきませんよ」
沙都子「・・・・・!!」
詩音「トラップ用の落とし穴に隠しましょう」
沙都子「・・・・あぁっ・・・・!!」
梨花「なんだか元気が無いのですよ」
沙都子「・・・・・・・・」
梨花「・・・沙都子はボクの友達なのです」
沙都子「梨花・・・・・・」
梨花「・・・圭一もボクの友達なのです」
沙都子「ああああああああああああああああああ・・・・!!」


レナ「さ、沙都子ちゃん?! どうしたの?!」
沙都子「ああああああああああああ・・あああっ・・!!」
レナ「し、しっかりして! 沙都子ちゃん!」
沙都子「うあああああああっ・・・・ごめ・・・ん・・・なさい・・・」
レナ「・・・さ、沙都子ちゃん?」
沙都子「ごめんなさい・・ごめんなさい・・・・ごめんなさいごめんなさい・・・ごめんなさい・・・!!」
レナ「しっかりして! 沙都子ちゃん!」
沙都子「・・・うああっ・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・・・・・圭一さん・・・ごめんなさい・・・・」
レナ「は、早く診療所に連れて行かないと!」
沙都子「・・れな・・・さん・・・・私は・・・・・・・・私は大丈夫ですわ・・・・・」
レナ「で、でもっ!」
沙都子「いまは・・・・アレをなんとか・・しないと・・・」
レナ「沙都子ちゃん・・・・」
沙都子「私は・・・何を考えていましたの・・・・圭一さんは・・・・・・圭一さんが生きている筈ありませんのに・・・・・!!」
レナ「えっ・・・?」
沙都子「圭一さんは私が殺したのにッ・・・!! なのに・・・・どうして私は・・・生きているなんて・・・うぅっ・・・」
レナ「・・・・生きてるよ」
沙都子「そんな筈ありませんわ・・・・だって私が!私が圭一さんを・・・!! 殺した・・・・!!」
レナ「・・・・・・・・・・」
沙都子「私が・・・・レナさんを人殺し呼ばわりするなんてちゃんちゃらおかしかったですわね・・・・」

レナ「そっか・・・沙都子ちゃんは知らなかったんだよね」
沙都子「何をですの?」
レナ「圭一くんね、生きてるんだよ」
沙都子「・・・・ほ、本当ですの?!」
レナ「本当だよ。大石さんって警察の人を知ってるかな?あの人も言ってたの。圭一くんは生きてるって」
沙都子「そ、そんな筈はありませんわ! 圭一さんは私が・・・・!」
レナ「あれは沙都子ちゃんの早とちりだったんだよ。これは監督が言ってたの。お医者さんが言うんだから、間違いないよ」
沙都子「えっ・・・だって圭一さんが・・・・・生きてるのは・・・・・私の勘違いでは・・・・え・・・と・・・」
レナ「難しく考えなくていいの。圭一くんは生きてる。それだけだよ」
沙都子「本当・・・・・ですの?」
レナ「本当だよ。沙都子ちゃんは人殺しなんかじゃない。圭一くんは生きてる。だから、大丈夫だよ」
沙都子「わ、私は・・・・」
レナ「でも、ちゃんと謝らないとダメだよ。沙都子ちゃんは圭一くんを埋めちゃったんだから。わかるよね?」
沙都子「はい・・・・・・」
レナ「沙都子ちゃんは謝らないといけないの。圭一くんに。自分の犯した罪を償わないといけないの。・・・圭一くんに」
沙都子「それは・・・・わかってますわ。例え私が殺していないにしても、私は圭一さんに酷い事をしましたわ・・・・ちゃんと・・・わかってますの・・」
レナ「・・・・本当に?」
沙都子「はい・・・・」
レナ「・・・・・そっか・・・・」
沙都子「レナさん・・・?」
レナ「よかったぁ。沙都子ちゃんはちゃんとわかってくれてたんだね。あははっ! もし沙都子ちゃんが知らないなんて言ったら・・・・・あははっ! どうなってたんだろーねっ」
沙都子「れ、レナさん?」
レナ「よかったぁ本当によかったよ。ここまで頑張ってきた甲斐があったかな! かなっ♪」
沙都子「な、何をおっしゃっていますの?」
レナ「うん? 大した事じゃないよ〜 沙都子ちゃんに謝る気があったんだからそれでおしまい! あはははっ!」
沙都子「・・・??」
レナ「ふぅ・・・じゃあ、やろっか」
沙都子「えぇ・・・早く終わらましょう」

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