9章 その4

鷹野「あらぁ、こっちは何も知らないみたいねぇ。 じゃあ、これもサービスよ。教えてあげるわぁ」
沙都子「・・・・・・・・」
鷹野「入江所長はね、この雛見沢に危機が迫っていると 仮定していたのよぉ。凄いわよねぇ・・・大正解!」
レナ「危機? あなた達は一体何を、」
鷹野「話は最後まで聞きなさい」
レナ「・・・・・・・・・」
鷹野「入江所長の考えはたしかに正解よぉ。でもね・・・・ まったく見当違いの予想を立てていたの! ・・くくっ・・・・あはははははっ!!!!」
レナ「私には鷹野さんが何を言っているのか理解出来ません」
鷹野「・・・・最初から説明するのも面倒ねぇ。 早い話が、所長は山狗を疑っていたのよ。そして 山狗に命令を下している存在がいると・・・・仮定した」
レナ「山狗?」
鷹野「山狗っていうのはね、今あなた達を囲んでいる 軍人さん達の事よぉ・・・・くすくす」
レナ「軍人? どうして軍人が私達の命を?」
鷹野「それをあなたが知る必要は無いわぁ・・・ だって、あなた達はここで死ぬんですもの」
沙都子「い、いやっ・・・いやだ!」
鷹野「駄目よ駄々をこねちゃ・・・・くすくす」
レナ「まぁいいです。私はこの話には興味がありませんから」
鷹野「じゃあ・・・・あなたの興味が向きそうな お話をしてあげるわねぇ・・・・古手梨花」
沙都子「り、梨花?! 梨花ですの?!」
鷹野「・・・くくっ・・・あっはっはっは!! あっはっはっはっは!!!!」
沙都子「な、何をそんなに笑っていますの!!」
鷹野「レナちゃんも酷い人ねぇ・・・・まさか、 なぁんにも話してないなんて・・・・くすくす」
レナ「何とでも言って下さい。それより、梨花ちゃんを 殺したのはあなたなんですか?」
沙都子「こ、ころし・・・? ころ・・・・した・・・ ・・・り・・・・か・・・り・・か・・?」
鷹野「そうよぉ。それが私の一番の目的だったからぁ」
沙都子「・・・・・ひ・・・人殺しぃ!!!!!」
鷹野「うるさいわねぇ・・・急にどうしたっていうのかしら」
沙都子「よくも・・・・梨花を・・・!! ころし・・・!!!!」
鷹野「なぁにその目は? ・・・・やりなさい」
「はっ!」
レナ「ま、待って!!」

鷹野「止めなさい。・・・・なぁにレナちゃん? まさか、今更命乞いでもする気かしらぁ」
レナ「・・・・・・・・・・」
鷹野「黙ってちゃわからないわよ。何を言いたいのか ハッキリしなさい。ほら、早く・・・・ほらぁ」
レナ「・・・ごめんなさい」
鷹野「なぁに? 聞こえないわよー?」
レナ「・・ごめんなさい・・・!!」
鷹野「で?」
レナ「・・・助けて下さい」
鷹野「なんだか拍子抜けしちゃったわぁ・・・・ もっと私を楽しませる様な言葉を言ってくれると 期待したんだけどなぁ・・・・・あっはっはっはっ!」
レナ「許して下さい・・・・お願いします・・・・」
鷹野「それが許しをこう人間の態度かしらぁ?」
レナ「・・・・・・・・・・」
沙都子「レナさん・・・!」
鷹野「くすくす・・・・土下座なんて・・・安っぽいわねぇ」
レナ「お願いします・・・・許して下さい・・・」
鷹野「ほらぁ、頭が地面についてないわよぉ」
レナ「・・・ッ!!」
沙都子「レナさん!!」
レナ「助けて下さい・・・・お願いします・・・!!」
鷹野「意外ねぇ・・・・レナちゃんはプライドが 大きいと思ってたんだけど」
レナ「助けて下さい・・・お願いします・・・」
鷹野「そこまでさせる何が、あなたの背中を押しているのかしらぁ?」
レナ「・・・私は・・・・圭一くんに会いたいんです」
鷹野「へぇ・・・・それで?」
レナ「圭一くんに・・・・圭一くんに会いたいんです・・・!!」
鷹野「それ以外に何か言えないの?」
レナ「お願いします・・・助けて下さい・・・・」
鷹野「駄目ね。そのくらいじゃ許してあげなーい。あっはっはっは!!」
レナ「助けて下さい・・・!!」
鷹野「人間の生に対する執着がこんなにも醜いなんて・・・・ よかったわぁ。最後に良い物が見れて」
沙都子「やめて・・・! たすけて・・くださいましぃ・・・!!」
鷹野「あらぁ、沙都子ちゃんまで命乞い? いいわよぉ、 ちゃんとした理由なら、助けてあげてもよくってよ」
沙都子「・・・・圭一さんに、」
鷹野「やりなさい」
「はっ!」

レナ「・・・・・・・・・・」
鷹野「うふふっ・・・・なかなか気丈な子ね。お友達が 目の前で殺されたって言うのに・・・・くすくす」
レナ「別に・・・レナは沙都子ちゃんを友達だと 思ってませんから何の問題もありません」
鷹野「あっはっはっは! 最後の最後でそれぇ? 最高ッ! 最高よレナちゃん!! あっはっはっは!!」
レナ「私が今、信じているのは圭一くんだけですから」
鷹野「あらなぁに? 沙都子ちゃんは信じてないっていうの?」
レナ「沙都子ちゃんには圭一くんに謝ってもらわないと いけませんから。だからそれまで、私が 沙都子ちゃんを守ってた。それだけです」
鷹野「・・・・あはははっ・・・あっはっはっはっは!! あっはっはっはっはっは!!!! なにそれぇ? 最高じゃなぁい!!」
レナ「ずるいんです。沙都子ちゃんは」
鷹野「なにがずるいのぉ? お姉さんに教えてくれるかしらぁ?」
レナ「沙都子ちゃんばっかり! 圭一くんはレナの前に 一度も現れてくれなかった!! どうして!?」
鷹野「私が知るわけないわよぉ・・・・くすくす」
レナ「私だって心配してたのに・・・なのにッ!! レナは・・・・ずっと圭一くんを信じてたのに・・・!」
鷹野「・・・・なんだかレナちゃんの言っている意味が 私には難しくて理解出来ないわぁ・・・あはははっ!」
レナ「別にわかってもらおうとは思ってませんから」
鷹野「あらぁそうなの? でも残念だったわねぇ。 前原圭一はあなたの前に現れる事はもう無理なのよぉ!?」
レナ「どうして無理なんですか?」
鷹野「うふふっ、そんなの決まってるじゃなぁい」
レナ「・・・・?」
鷹野「あなたはここで死ぬんですもの」
レナ「・・・!!」
鷹野「じゃあね、天国で皆と仲良くしなさぁい」
レナ「圭一くん・・・・ごめんね・・・・レナは・・・けぇいちくんを・・」
鷹野「さよぉならぁ」


鷹野「うふふ・・・・なかなか楽しませてもらったわぁ」
「三佐、作戦の時間が迫っています」
鷹野「わかってるわよ。この死体を処理しておきなさい」
「はっ!」
鷹野「残念だったわねぇレナちゃん・・・・例えあなたが ここで死ななくても・・・前原くんは・・・くすくす」
「三佐、よろしいですか?」
鷹野「えぇ・・・始めなさい!! 神の裁きを!!」
「了解! 各員、作戦を開始せよ!!」
鷹野「楽しかったわよぉ・・・・あはははっ」
鷹野「あっはっはっはっはっはっはっは!! あーっはっはっはっははっはっははっはっは!!!!」

PREV HOME NEXT