1章 その5

魅音「沙都子ー!!」
詩音「・・・お姉?」
レナ「沙都子ちゃん!」
沙都子「ひっ!い、いやぁ!!こないで!こないでこないで!!こないで!!」
レナ「さ、沙都子ちゃん・・・?」
魅音「ちょっと沙都子、あんたどうしちゃったのさ!」
沙都子「・・こないで・・やめて・・・いやぁ・・・・」
梨花「・・・沙都子、大丈夫なのです。誰も沙都子をイジメたりしないのです。もう、大丈夫なのですよ」
魅音「ねぇ梨花ちゃん、沙都子はどうしちゃったの?」
梨花「・・・・・・・・」
詩音「あらお姉、今更それですかぁ?」
魅音「詩音?あんた何を・・」
詩音「今更とぼけないでください。そうですよ、お姉以外にありえない・・・こんな酷い事を・・・・」
魅音「し、詩音?何を言ってるのか私には・・」
詩音「ごめんなさい沙都子、もっと私がしっかりしていれば・・・」
沙都子「にーにー・・・にーにー・・・! たすけて・・たすけて・・・!!」
詩音「まさか沙都子に手を出すなんて・・・見損ないましたよ、お姉」
魅音「だからぁ!さっきから何を言ってるのかわかんないよ!」
レナ「・・・詩ぃちゃん、詩ぃちゃんが今考えている事は絶対にないよ。おかしな事は絶対にしてない」
詩音「私が何を考えてると言いたいんですか?」
魅音「詩音!何をそんなに怒ってるのか私にはわからないよ・・・」
詩音「なるほど、罪悪感は微塵も感じてないってわけですね。さっすがお姉! 園崎家次期当主様は慈悲のカケラもないんですね」
レナ「詩ぃちゃん!」
詩音「ですが些かやり過ぎましたね。いくら沙都子がやったとはいえ、いきなり暴力沙汰とは野蛮です」
魅音「ぼ、暴力も何も私は何も・・」
詩音「まだとぼける気ですか!?今の沙都子を見れば誰だってわかるでしょう?こんなにも怯えて!助けを求めてるのに!」
魅音「わ、私にだってわからないよ!急に沙都子が取り乱して・・」
詩音「お話になりませんね。ここまでやっておきながらまだシラを切るつもりですか・・・呆れた」
レナ「詩ぃちゃん、落ち着いて考えて。私達が沙都子ちゃんに危害を加える理由は何もない筈だよ?だよね、魅ぃちゃん」
魅音「そうだよ・・・どうして私達が沙都子に・・」
詩音「理由?理由ならあるじゃないですか。充分過ぎる理由が」
梨花「詩ぃ!?」
詩音「復讐ですよね?圭ちゃんを殺した復讐」
魅音「・・・えっ?」
レナ「し、詩ぃちゃん? 何を・・言ってるのかな? ・・・かな?」
詩音「だからぁ、復讐なんでしょ?」
魅音「だ、だれの・・・」
詩音「圭ちゃんの」
魅音「・・・圭ちゃんが・・・・なによ・・・」
詩音「殺した」
レナ「嘘だ!!!!!!!!」
詩音「嘘ならよかったですよ!夢ならよかった!でも・・」
沙都子「・・・いやああああああああああああ!!!!!!」
梨花「・・・沙都子」
沙都子「ごめんなさい・・ごめんなさい・・ごめんなさい・・ごめんなさい・・ごめんなさい・・ごめんなさい・・ごめんなさい・・ごめんなさい・・」
魅音「そんなの・・・うそ・・だよ・・あ・・・あ、あははは・・」
詩音「はぁ?まだとぼけてるんですかお姉?」
魅音「・・・うそだよ・・・・そんなの・・・そんなのって・・」
詩音「お姉ですよね?圭ちゃんの死体を隠したの」
魅音「・・・ぐっ・・・・」
詩音「あらぁ?黙秘、ですかぁ?それは肯定として受け取っても構わないって事ですよねぇ?」
魅音「・・・けぃ・・・ちゃ・・ん・・・」
詩音「そうですよ。圭ちゃんを隠したのはお姉、あなたです」
魅音「・・うそだよ・・・!! 圭ちゃんが・・・圭ちゃんが・・・・!!」
詩音「ここまでやられると・・・なんだか私が悪者みたいに見えますね」
魅音「・・ううっ・・・けぇちゃん・・・けぇちゃん・・・!」
梨花「詩ぃ」
詩音「なんですか、梨花ちゃま?」
梨花「詩ぃは魅ぃの流す涙を見て、なんとも思わないのですか?」
詩音「・・・・・」
レナ「・・・どうしてこんな事になったの」
梨花「レナ、沙都子を許してあげてほしいのです。沙都子はこうやって罪の意識に囚われ、戦っているのです。だから・・」
レナ「・・・勝手だね」
レナ「・・・もういいや」
梨花「レナ?」
レナ「知らない」
レナ「あんた達なんかもう知らない」
詩音「レナさん・・・」
レナ「行こう魅ぃちゃん、もうここにいる必要はないよ」
魅音「・・・うんっ」
詩音「逃げるんですか、お姉? よかったですねーレナさんが逃げ道を作ってくれて。あはははっ!」
レナ「・・・・っさいなぁ」
詩音「はぁ?」
レナ「うっさいって言ってんの!!!!!!!」
詩音「・・・っ!?」
梨花「レナ・・・」
レナ「・・・お願いだからもうやめて・・これ以上レナを・・・友達を幻滅させないで・・・レナは嫌だよこんなの・・・・!!」v 梨花「・・・詩ぃ、行きましょうです」
詩音「・・ふん、私は許しませんからね。沙都子をこんな目に合わせた罪はいずれ償ってもらいますからね」
魅音「・・・・・・・・」
梨花「レナ、魅ぃ、ボク達は信じています。だから、二人もボク達を信じてくださいなのです」
レナ「・・・さよなら」

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