2章 その3

知恵「みなさん、席についてください」
魅音「・・・梨花ちゃん、ごめんね」
梨花「みぃ?魅ぃは何も悪くないのですよ。にぱーっ」
知恵「ホームルームを始める前に、みなさんにお話がいらます」
レナ「・・・・・」
知恵「昨日、前原くんが家に帰っていないそうです」

    ざわ・・・
       ざわざわ・・・
           ざわざわざわ・・・

知恵「昨日の夕方以降、前原くんを見た人はいますか?」
知恵「・・・・いませんか。もし前原くんを見掛けた人は、直ぐに近くの大人に伝えてくださいね」
知恵「それではホームルームを始めます。委員長、号令」
魅音「きりーーつ」

レナ「いらます?」
知恵「・・・ごめんなさい」
魅音「やーいやーい、カレー女ー」

入江「ふぅ・・・・」
鷹野「あらぁ、お疲れみたいですね」
入江「えぇ、昨夜は沙都子ちゃんが気になりまして・・・」
鷹野「一晩中付きっきりだった、と? 沙都子ちゃんったら先生をこんなにも心配させるなんて、罪深い子ねぇ・・・くすくす」
入江「容体は安定してきましたが、まだ油断は出来ません。いつ、何が原因で沙都子ちゃんが発症するかは・・・・」
鷹野「私は構いませんよ? 生きたサンプルが手に入るだけですもの。・・・くすくす」
入江「・・・冗談でもそんな不謹慎な発言はやめてください」
鷹野「あらぁ、ごめんなさい。不謹慎、ですものねぇ・・・くすくす」
入江「・・・やめましょう、こんな話をしていても・・」
鷹野「うふふ、そうですわね。私だって沙都子ちゃんが大好きですもの。最善を尽す所存ですわ・・・くすくす」
入江「・・・富竹さんは?」
鷹野「この時間なら、ジロウさんは撮影中だと思います」
入江「そうですか。至急、彼と連絡を取りたいのですが」
鷹野「あらぁ? ジロウさんに? 珍しいですわねぇ」
入江「えぇ、少し気になる事がありまして」


沙都子「圭一さん!」
圭一「ん?どうしたぁ沙都子?」
沙都子「け、圭一さん・・・!!」
圭一「おわっ! な、なんだよ?!」
沙都子「圭一さん・・・圭一・・・私は・・・圭一さんを・・・」
圭一「・・・沙都子?」
沙都子「・・・ごめんなさい・・ごめんなさい・・私のせいで・・・けぇいちさんは・・・わたくしの・・・せいで・・・!!」
圭一「・・・・沙都子、泣くなよ」
沙都子「・・・ぅぁっ・・・けぇいちさん・・・・」
圭一「ほら、頭撫でてやるから。なっ?」
沙都子「・・・・にーにー・・・にーにー・・・・」


梨花「二人共、お待たせなのです」
レナ「梨花ちゃん・・・教えて、何があったのか・・・・」
梨花「・・・ボクの知っている事は、全てお話しますです。何から話せばいいのですか?」
魅音「・・・圭ちゃん」
レナ「どうして・・・沙都子ちゃんは、圭一くんを・・・・?」
梨花「・・・事故としか言えないのです」
魅音「じ、事故って・・・そんな・・・圭ちゃんは・・・・」
梨花「本当に不幸な出来事だったと、そう思うしかないのです・・・・」
レナ「・・・・・・・・」
魅音「じ、じゃあ沙都子は殺意なんてなかったんだね?!」
梨花「はいなのです。沙都子が圭一を殺す動機は何もないのです。それは二人にだってわかる筈なのです」
レナ「・・・・圭一くんを隠したのはだれ?」
梨花「・・・・・ごめんなさいなのです」
魅音「ご、ごめんなさいって・・・それだけじゃわかんないよ!」
梨花「ボクにもわからないのです・・・誰が圭一を隠したのか・・」
魅音「わからないって・・・じゃあ、圭ちゃんの遺体は一体何処にいったの・・・?!」
梨花「心当たりがないわけではありません」
レナ「・・・それ、本当かな? ・・かな?」
梨花「確証はありませんが、大体の予想はついてますです」
魅音「わ、私じゃない!私は何も・・・!!」
レナ「大丈夫、レナは魅ぃちゃんを信じてるから」
魅音「レナぁ・・・」
梨花「魅音は、園崎家とはまったく関係のない話なのです。詩ぃは誤解しているだけなのですよ・・・・」
レナ「・・・うん」
魅音「それで、心当たりって誰なの?」
梨花「・・・・・・・・」

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