2章 その4

鷹野「あらぁ、詩音ちゃんじゃない。いらっしゃい」
詩音「こんにちわ、鷹野さん」
鷹野「珍しいわねぇ・・・もしかして診察かしらぁ?」
詩音「違いますよ。沙都子のお見舞いに来ました」
鷹野「あらぁ、学校を休んでまで来ちゃったの?それはいけないわねぇ。くすくす・・・」
詩音「そんな事より、沙都子はどこです?」
鷹野「うふふ、こっちよ」
詩音「・・・・待っててね、沙都子」


入江「し、詩音さん? こんな時間に会うなんて」
詩音「はろろーん。沙都子の様子が気になって、心配で見に来ちゃいました。てへっ」
鷹野「くすくす。詩音ちゃんは心配症ねぇ」
詩音「沙都子は私の妹ですから」
入江「んー実に美しい姉妹愛、ですねぇ・・・ぐっふっふっふ・・・にぱぁ☆」
詩音「か、監督? まだ仕事中なんですから妄想は程々にしておいてください・・・・」
鷹野「いやぁねぇ、先生ったら・・・くすくす」
詩音「そ、そんな事より! 沙都子は・・・?」
入江「こちらです」
詩音「沙都子・・・・」
入江「眠っています。休ませてあげてください」
詩音「・・・・沙都子は大丈夫なんですよね?」
入江「えぇ、大丈夫です。私の『沙都子ちゃんメイド化計画〜ご奉仕偏〜』のためにも!沙都子ちゃんは、私が絶対に救ってみせますよ」
詩音「・・・・沙都子」
入江「大丈夫ですよ。沙都子ちゃんは強い子です。一度は立ち直ってくれました。今回もきっと、」
詩音「・・・・本当に?」
入江「え、えぇ、沙都子はきっと立ち直ってくれると、」
詩音「監督は・・・私の敵ですか?」
入江「し、詩音さん?」
詩音「答えてください。監督は私の敵ですか?」
入江「すみません・・・私には詩音さんの言っている意味がよくわからない・・・一体何を・・?」
詩音「すいません、質問を変えます。監督は沙都子助けてくれるんですよね?」
入江「えぇ、医者として約束します。沙都子ちゃんは私が絶対に救ってみせます。信じてください」
詩音「・・・・・・・・」
鷹野「先生だけじゃないわ。私や他のスタッフだっているのよ?」
入江「詩音さん、あなたに何があったのかは聞きません。ですが信じてください! 沙都子ちゃんは私達が救います」
詩音「・・・・監督」
鷹野「よかったのですか? あのまま帰すと危険だと思いますけど」
入江「不必要に刺激しない方がいいでしょう。それに、彼女はまだ発症したと決まったわけではありません」
鷹野「あらぁ、そうですかぁ? 私にはてっきり・・・くすくす」
入江「診察したわけではありません。早急に手を打たずとも、大丈夫でしょう」
鷹野「所長がそうおっしゃるなら・・・私はそれで構いませんわぁ」
入江「きっと沙都子が元気になれば、詩音さんも元に戻る筈です。きっと今は沙都子ちゃんが心配になって、」
鷹野「くすくす・・・」


詩音「はぁ・・・・・」
詩音「本当に帰ってもよかったのかな・・・・」
詩音「監督なら・・・・きっと監督なら大丈夫だよね・・・?」
詩音「監督のあの顔は嘘じゃなかった、と思う・・・」
詩音「きっと大丈夫・・・監督なら、沙都子を救ってくれる・・・・」
詩音「監督は敵じゃなかった・・・敵って・・・だれ・・・?」
詩音「はぁ・・・・私ってばどうしちゃったんだろ・・・」
詩音「・・・・かえろ」

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