2章 その5

大石「おんやぁ? あなた、園崎詩音さんじゃありませんか」
詩音(どうして大石がここに・・・?)
大石「どうもこんにちわぁ」
詩音「・・・なんです?」
大石「なっはっはっはっはっ! 身構えないでくださいよぅ」
詩音「用がないんなら、もう行きますね」
大石「学校はどうしたんです? まさかサボりってやつですかぁ?」
詩音「そうだとしたら・・・どうします?」
大石「んっふっふっ〜指導しちゃいますよぉ〜」
詩音「はぁ・・・大石さん、それセクハラです」
大石「ありゃ? 最近の若い子は敏感ですねぇ〜なっはっはっはっはっ!」
詩音「・・・・行きます」
大石「ああ、すいません。悪ふざけが過ぎました。少しお時間をよろしいでしょうか?」
詩音「言いませんでした? 私、これから学校に行くんです」
大石「なっはっはっ! いやぁすみませんねぇ、忘れてましたよ。なんなら学校まで送って行きましょうか?」
詩音「遠慮しておきます。素敵なおじさまならともかく、相手は大石さんですから。ちょっと太り過ぎです」
大石「なっはっはっはっ! これはこれは、手厳しいですねぇ」
詩音「じゃあ、私はもう行きますね」
大石「んっふっふっ〜真面目な学生さんで安心しましたよ」
大石「あっ、そういえば」
詩音「はい?」
大石「あなたのお友達の北条沙都子さん、今日はお休みのようですねぇ」
詩音「・・・・それが何か?」
大石「いえいえ、お友達がご病気なので心配されているのかと・・」
詩音「別に・・・私は大石さんに心配されなくても」
大石「んっふっふっ〜まぁいいです。それより」
大石「詩音さん、あなた今から登校するんですよねぇ・・・?」
詩音「そ、それがなんだって言うんです?!」
大石「いえいえ、深い意味はありません」
詩音「・・・大石さん、私に用があるんですよね?そうならそうとはっきり言ってくださいよ!!」
大石「ありゃ? わかっちゃいましたか。んっふっふ」
詩音(あっ・・・ダメよ!大石のペースにのまれては・・)
大石「いやぁ、私もまさか詩音さんとばったりなんて想定していませんでしたからねぇ」
詩音(落ち着け! クールになれ、園崎詩音!)
大石「じゃあ、一つだけ質問させてください」
詩音「あっ、やばっ!早く行かないと先生に、」
大石「前原圭一さん、御存じですよね?」
詩音「・・・・・えっ?」
大石「あなたのお友達の名前ですよ。前原圭一は」
詩音「け、圭ちゃんがなにか・・・?」
大石「質問は一つだけ、でしたよねぇ?」
詩音「あっ・・・」
大石「では、私はこれで失礼します」
詩音「・・・どうして圭ちゃんを?」
大石「さぁて、どうしてでしょうね? んっふっふ」
詩音(こいつ・・・・!!)
詩音「け、圭ちゃんに何かあったんですか?!」
大石「おやぁ? もしかして、知りませんでした?」
詩音「知らないも何も! 何がなんだか・・・・」
大石「その様子だと、本当に知らないみたいですねぇ」
詩音「圭ちゃんに何があったんですか? 警察が動いてるって事は・・・まさか事件に!?」
大石「恐らく、学校に行けばわかると思いますが・・・」
詩音「いいから教えてください!! 圭ちゃんに、何があったんです?!」
大石「前原圭一さんね、行方不明だそうです」
詩音「・・・・お、大石さん?」
大石「まだ家に帰ってないそうです。私も最初は家出を疑ったんですが・・・・」
詩音「け、圭ちゃんが・・・行方不明・・・・?」
大石「時期が時期でしょう? 明後日は綿流し、つまり」
詩音「圭ちゃんは・・・・消された・・?」
大石「まぁこれは私の妄想みたいなものです。あまり深い意味で捉えないでもらえると嬉しいです」
詩音「そ・・んな・・・圭ちゃんが・・・・・」
大石「落ち着いてください。まだわかりませんよ?もしかしたら、どこかで遊んでいるだけかもしれませんし」
詩音「そ、そんな事あるわけないじゃないですか!!軽はずみな事を言わないでください・・・!!」
大石「・・・すみませんね。ですが、事実です。前原圭一さんが行方不明なのは、間違いなのかもしれない」
詩音「圭ちゃん・・・そんなぁ・・・・」
大石「今村の青年団数名と警察で捜しています。興野宮の方も捜してみます。ご安心ください。きっと見つかります」
詩音「・・・みつけて・・・みつけてください・・!!」
大石「えぇ、大丈夫です。私達に任せてください」
詩音「圭ちゃんを・・・・圭ちゃんをお願いします・・・・」
大石「仕事ですからね、手を抜くなんて事はありません。時間の問題ですよ。んっふっふっふ」
詩音「ありがとうございます・・・大石さん・・・・!」
大石「では、私はこれで」
詩音「はい。私は信じてます。きっと圭ちゃんは・・・・」
大石「えぇ、朗報をお待ちくださいねぇ。んっふっふっふ」

詩音「・・・・・・・・」
詩音「・・・・・・・ぷっ」
詩音「・・・・・くっはははっ・・・」
詩音「あはははははははははははっ!!!!!!!」


熊谷「大石さん・・・なんだったんですかね」
大石「さぁ? 私にはわかりませんよ」
熊谷「園崎詩音、怪しくないですか?」
大石「そうですか? 私にはさっぱりです。んっふっふっふ」
熊谷「ある生徒の証言によると園崎詩音は朝、学校に登校しています」
熊谷「どうして今から登校だと嘘をついたんでしょうねぇ・・・」
大石「さぁ? ですが、園崎詩音が何か知っているといいんですがねぇ」
熊谷「臭いっすね・・・・」
大石「ありゃ? やっぱり臭います?」
熊谷「えぇ、臭いっす!」
大石「なっはっはっはっは! すみませんねぇ」
熊谷「・・・・・・・・」

大石「おんやぁ?」
熊谷「どうしました?」
大石「お風呂だそうですよぉ んっふっふっふっ〜」

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