3章 その2

魅音「し、詩音」
詩音「なんですか」
魅音「・・・・診療所に行くよね」
詩音「えぇ、監視は必要ですし」
魅音「う、うん・・・そうだね・・・・」
梨花「魅ぃ、元気を出してほしいのです」
魅音「あ、あははっ・・・うん、そうだね」
レナ「魅ぃちゃーん、梨花ちゃーん、はやくぅー」
梨花「行きましょうです」

魅音「・・・ねぇ、梨花ちゃん」
梨花「みぃ?」
魅音「梨花ちゃんは・・・辛くない?」
梨花「どうしてボクに聞くのですか?」
魅音「だって梨花ちゃんは・・・沙都子や圭ちゃん・・・・それに、」
梨花「魅ぃ、辛いのは皆同じなのです」
魅音「それはわかってるよ・・・・でも・・・」
梨花「ボクの知っている魅ぃは、そんな弱音を吐きませんです」
魅音「・・・・・・・・」
梨花「魅ぃ、魅ぃは自分が考えている以上に強い人です。その強さを、皆にも分けてあげてほしいのです」
魅音「・・・ないよ・・私に強さなんて・・・・」
梨花「・・・・そうやってメソメソして、一体私にどんな答えを求めているの?」
魅音「り、梨花ちゃん・・・?」
梨花「・・・ボクは魅ぃのそんな姿を見たくないのですよ」
魅音「・・・・・ごめん」
梨花「謝る必要なんてないのです。謝る相手は、ちゃんと他にいると思うのです。だから・・・」
魅音「うん・・・」
梨花「魅ぃが謝っても許してくれない時は、ボクも一緒に謝ってあげますです。二人でごめんなさいすればきっと許してくれますですよ。にぱーっ」
魅音「・・・そうだね、ありがとう、梨花ちゃん」
梨花「みぃー」


レナ「魅ぃちゃーん、梨花ちゃーん、まだぁー?」
魅音「ごめんごめーん、直ぐ行くよーっ!」
レナ「二人共遅いよー」
魅音「あははっ、ごめんごめん」
詩音「まったく、時間にルーズなのは昔から直りませんね」
魅音「ちぇーっ、詩音だって人の事言えないくせにー」
詩音「私は大丈夫です。お姉と違って、要領良いですから」
梨花「悪知恵だけは人一倍働きますです。にぱーっ」
レナ「あははっ、やっぱり姉妹だね! だね!」
詩音「うーん・・・お姉と一緒にされるのは納得出来ません」
魅音「お、おじさんだって嫌だよ! 詩音みたいなネチネチした性格は遠慮したいね!」
詩音「あら、お姉? それは戦線布告ですか?」
魅音「むきーっ!」
梨花「喧嘩する程仲が良いのですよ」
魅音・詩音「「だれがっ?!」」
レナ「あははっ」


大石「どぉもぉ」
詩音「大石のおじさまじゃないですか」
大石「んっふっふっ〜どぉもぉみなさん」
魅音「・・・・何か用ですか?」
大石「いやぁ大した用じゃあないんですがね。仲良く遊んでおられる所申し訳ないんですが、園崎詩音さんに少しお話がありまして。んっふっふ」
レナ(この人・・・だれ?)
魅音(興野宮署の大石って刑事だよ)
大石「おやぁ? あなた、竜宮さんでしたよねぇ?竜宮レナさん、間違いありませんか?」
レナ「・・・はい」
大石「なっはっはっ! 身構えないでくださいよぅ。仕事上、嫌われるのは慣れてしまったんですがねぇ。んっふっふっふ〜」
魅音「みんな、行こう」
大石「ああっ、ほんのちょっとでいいんです。お時間を割いてもらえないでしょうか?」
詩音「・・・・別にいいですけど」
魅音「詩音!」
詩音「いいんです、お姉達は先に行っててください」
レナ「詩ぃちゃん・・・・」
梨花「詩ぃ、沙都子の事は、」
詩音「わかってます。口が裂けてもいいませんよ」
魅音「詩音・・・・」
詩音「お姉、何を不安そうな顔をしているんです?私には何もやましい事はありませんよ」
魅音「う、うん」
大石「では園崎詩音さん、立ち話もなんでしょうから、車にお乗りください。クーラーも効いてますからねぇ。んっふっふ」

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