3章 その3

大石「いやぁ、正直驚いてますよ。てっきり拒否されると思っていましたからねぇ。んっふっふっふ〜」
詩音「世間話はいいです。用件を」
大石「・・・・あなた、昨日の夕方に前原圭一さんと会ってるそうじゃないですか。その時の彼の様子はどうでした?」
詩音「様子も何も、いつもと変わりませんでした」
大石「そうですかぁ・・・前原さんが失踪した理由をお知りなんじゃないかと思いましてね」
詩音「ずいぶん直球ですね。根拠はあるんですか?」
大石「なっはっはっはっ! いいえ〜長年培ってきた刑事の勘ってやつですよ。んっふっふっふ」
詩音「はぁ・・・呆れます。勘で捜査なんて」
大石「そうですか? 案外、こんなものだったりしますよぉ?んっふっふっふっ〜」
詩音「知りません。私は圭ちゃんの失踪については何も知りません。だから何も言えません」
大石「詩音さん、私は別にあなたを犯人と疑っているわけじゃあないんです。わかります?」
詩音「それは・・・・こうやって話をしていれば」
大石「腹を割って話ましょう。園崎詩音さん、あなたオヤシロ様の祟りについて、どう考えてます?」
詩音「オヤシロ様の祟り、ですか」
大石「毎年綿流しの日に起こる不可解な事件・・・どうです? やはり、まだ疑ってるんじゃないですか?」
詩音「・・・・・・」
大石「北条悟史さん・・・まだ終わってないんです」
詩音「・・・何が言いたいんですか?」
大石「おかしいんですよ、今年は。毎年綿流しの日に一人が死に、一人が消える。これがオヤシロ様の祟り」
大石「じゃあ、前原さんはどうなるんですかねぇ」
詩音「け、圭ちゃんと祟りは関係ありません!」
大石「おやぁ? どうしてそう言えるんですかねぇ」
詩音「だってオヤシロ様の祟りは綿流しの日に起こるものでしょう? 圭ちゃんの失踪とは関係ない話です」
大石「んっふっふ、そうです、詩音さんは間違ってません」
詩音「じ、じゃあこの話はもういいでしょう?!」
大石「そうですねぇ、この話はやめましょう。前原圭一さんの失踪と園崎家は無関係、いいんですね?」
詩音「・・・・・・・・」

大石「・・・まぁいいでしょう。この話は終わりです。次は、北条沙都子さんについてですが」
詩音「・・・沙都子ですか?」
大石「北条沙都子さん、入江先生の診療所にされてるんですよねぇ?」
詩音「それが何か?」
大石「いやね、入江先生に面会の許しを得られず追い返されてきちゃったんですよぉ。なっはっはっはっはっ」
詩音「・・・沙都子に何を?」
大石「いえね、私はただ沙都子さんに聞きたかっただけなんです。前原圭一さんについて」
詩音「・・・・・・・・」 大石「あっ? 勘違いしちゃいけませんよ? 北条沙都子さんを疑ってるわけじゃあないですから。ただ・・・」
詩音「・・・・なんです?」
大石「北条沙都子さんとあなたですよね、最後に前原さんを目撃したのは・・・・合ってます?」
詩音「・・・はい、そうですね」
大石「あなたにした質問と同じ事をしようと思ってたんですが、入江先生が怒っちゃいましてね。病人に無理をさせるなんて常識外れもいいとこです! ってね。なっはっはっは」
大石「ああも必死にやられるとねぇ・・・・刑事の勘ってやつですよ。なっはっはっはっ!」
詩音「・・・それは沙都子が圭ちゃんを隠した犯人だと言いたいんですよね・・・?」
大石「いえいえ、そんな事は一言も言ってませんよ」
詩音「・・・・・・・・」
大石「詩音さん、前原さんの失踪がもし園崎家と関係していたら?」
大石「もし、毎年起こる雛見沢連続怪死事件の首謀者が園崎家なら?」
大石「あなたの捜している人、もしかしたら見つかるかもしれませんよ。そしてあなたはその鍵を持っている」
詩音「・・・何が言いたいんです?」
大石「回りくどい言い方はやめますね。園崎詩音さん、私に協力してもらえませんか?」

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