3章 その4

入江「おや、みなさんお揃いで」
レナ「沙都子ちゃんのお見舞いに来ました」
魅音「監督、沙都子はどうですか?」
入江「えぇ、だいぶ容体は安定しています。どうぞ、こちらに」
梨花「沙都子・・・・・」
レナ「・・・沙都子ちゃん、眠ってるね」
入江「鎮静剤を使ってなんとか落ち着いています。昨夜は大変でした。見る物全てに怯え、とても危険な状態で・・・・」
魅音「・・・・ごめんね、沙都子」
梨花「入江、ちょっといいですか?」
入江「え、えぇ」


梨花「沙都子は大丈夫なのですか?」
入江「ああやって眠っている状態なら安心出来ます。ですが・・・」
梨花「・・・・沙都子」
入江「沙都子ちゃんはどうやら夢を見ているようなんです」
梨花「夢、ですか?」
入江「はい、彼女の脳波がそれを証明しています。激しい興奮、その後鎮静し、穏やかな波を描いています」
梨花「みぃー・・・ボクには難しい事はわからないのです」
入江「沙都子がどんな夢を見ているのかはわかりません。ですが、その夢が沙都子ちゃんをあの状態にした要因になっているのかもしれません」
梨花「・・・・・・・・」
入江「梨花さん、教えてください。沙都子ちゃんに一体何があったんですか?」


レナ「沙都子ちゃん・・・・」
魅音「やっぱり私達のやった事は、とても酷い事だったんだよ・・・」
レナ「・・・うん。レナも今ならわかるよ・・・・」
魅音「沙都子が起きたら、レナはどうする?」
レナ「・・・・謝りたい」
魅音「そうだね」
レナ「ごめんね・・怖がらせて・・そんなつもりはなかった・・・でも・・今更後悔しても・・・・遅いんだよね・・・」
魅音「・・・そうだね」
レナ「魅ぃちゃんはどうするの?」
魅音「レナと一緒だよ。沙都子に謝る、そして沙都子にも謝ってもらうよ。そうじゃなきゃ・・・・」
レナ「うん・・・レナも・・かな・・・」
魅音「・・・・圭ちゃん」


入江「そんな事があったなんて・・・」
梨花「・・・ボクも信じたくないのです」
入江「・・・・やはり間違いありません」
梨花「入江?」
入江「他言無用でお願いします。実はこれから富竹さんと、」
鷹野「あらぁ? 二人っきりでなんのお話かしら?」
入江「鷹野さん・・・・」
鷹野「お邪魔でしたかかしらぁ? 私の事は気にせず、お話を続けてくださって結構ですわぁ・・くすくす」
入江「・・・・・・・・」
梨花「・・・入江?」
入江「すいません梨花さん、この話はまた別の機会に」
鷹野「くすくす。本当にお邪魔だったみたいね」
入江「・・・・・・・」


レナ「詩ぃちゃん、遅いね・・・・」
魅音「もしかしたら、帰っちゃったのかもしれない」
梨花「・・・もう外は真っ暗なのです」
入江「そうですね、そろそろ帰った方がいいんじゃないでしょうか?」
魅音「うん・・・詩音には悪いけど、もう帰ろっか」
レナ「そうだね。沙都子ちゃんの顔を見れたし、レナはそれでいいと思うよ」
梨花「入江、沙都子をお願いしますです」
入江「はい、任せてください」
魅音「沙都子、明日も来るからね」
レナ「・・・・だから早く起きて」
レナ「早く起きて、謝ってね」
魅音「レナー?帰るよー」
レナ「うんっ!」

PREV HOME NEXT