3章 その5

富竹「こんばんわ」
入江「こんばんわ、富竹さん」
富竹「こんな時間に呼び出すなんて、何かあったんですか?」
入江「・・・・実は、前原の事で話があります」
富竹「圭一くんの? ・・・なんでしょうか」
入江「前原さんが昨日から家に帰ってないらしいんです」
富竹「えぇ、その話は聞いています」
入江「前原さんの失踪・・・富竹さんは何か知りませんか?」
富竹「えっ、僕がですか? いや・・・何も」
入江「・・・そうですか」
富竹「どうして僕に聞くんです?」
入江「もしかしたら・・・これは可能性のある話で、有りもしない事実かもしれません。それを念頭に置いて、話を聞いてほしいんです」
富竹「・・・わかりました」


レナ「有りもしない事実?」
入江「いやぁ、なかなか良い表現が思いつかず適当になってしまいまして・・・・あははっ」
魅音「ロリコンに発言する権利は無い」
入江「    」


富竹「・・・・僕には悪い冗談にしか聞こえません」
入江「あくまで可能性の話です。そうでない事を祈るしか・・・」
富竹「わかりました。僕に協力出来る事があるのなら」
入江「あ、ありがとうございます・・・!」
富竹「これは僕達だけの問題じゃありませんからね。雛見沢全ての危機なのかもしれません」
入江「監視をされている私には何も出来ませんが・・・」
富竹「えぇ、あとは僕に任せておいてください」
入江「・・・助かります」
鷹野「話は聞かせてもらいましたわ」
入江「た、鷹野さん?!」
富竹「鷹野さん、盗み聞きはよくないと思うよ」
鷹野「あら、ごめんなさい。入江所長とジロウさんの密会なんて珍しくて、つい・・・くすくす」
入江「・・・鷹野さん、どこから聞いていましたか?」
鷹野「くすくす・・・ぜーんぶ、聞いてましたわ」
入江「鷹野さん、この話は聞かなかった事にしてください」
鷹野「あらぁ、私だけ除け者? あんまり好きじゃありませんわぁ・・・くすくす」
富竹「でも鷹野さん、君に何が出来るっていうんだい?」
鷹野「山狗には暫く退場してもらいます。これでいいですね?」
入江「・・・助かります」


沙都子「圭一さーん、出来ましたわよーっ」
圭一「おっ! 美味そうなハンバーグだ!」
沙都子「さあ、お食べくださいまし」
圭一「いただきまーす! むぐっ あぐあぐ」
沙都子「はしたない食べ方はおやめなさいな・・・」
圭一「むがっ い、いいんだよ! 美味いんだから」
沙都子「ふ、ふんっ! 褒めたって何も出ませんわよーっだ!」
圭一「むぐっ がつがつ ぐっ・・・!」
沙都子「け、圭一さん?!」
圭一「み、みみみみみみずぅー!!」
沙都子「しっかりなさいまし! け、圭一さん・・・?」
圭一「んぐっ・・・ぷはぁ、助かったぁ・・・・」
沙都子「急いで食べるからですわよ? そんなに焦らずとも、ハンバーグは逃げませんわ」
圭一「ったく、沙都子のハンバーグが美味いから悪いんだ」
沙都子「そ、そんなの関係ありませんわ!」
圭一「いいやある! こんなに美味いハンバーグを作る沙都子は大罪人だ!!」
沙都子「ほ、褒めるのか貶すのか、はっきりしてくださいまし・・・・」
圭一「あははっ、褒めてるよ。沙都子の飯は美味い」
沙都子「・・・圭一さん」
圭一「ただ、もう少し量が欲しかったな!」
沙都子「こ、これだけたくさん用意したのに・・・・まだ足りないとおっしゃりますの?!」
圭一「育ち盛りは量が全てだからな。美味けりゃ尚良し」
沙都子「・・・まだ食べたりませんの?」
圭一「ああ! 沙都子の飯なら、俺はまだまだいけるぜ?」
沙都子「け、圭一さんがそこまで言うんでしたら・・・・あ、明日も作ってさしあげても、いいですわよ・・・?」
圭一「俺、幸せだよ。こうやって沙都子と一緒にご飯を食べれてさ」
沙都子「・・・そ、そうですの?」
圭一「ああ、そうだよ」
沙都子「け、圭一さんがよろしいんでしたら・・・明日も、その明日も・・・私が・・・・」
圭一「あはは、沙都子、それはもう無理だ」
レナ「沙都子ちゃん」
沙都子「れ、レナさん・・・?」
レナ「人殺し」
沙都子「・・・・あぁっ・・」
魅音「さーとこっ」
沙都子「魅音さん・・・・」
魅音「人殺し」
沙都子「や、やめて・・・いや・・いやぁ・・・・」
圭一「人殺し」
沙都子「・・・いやああああああああああああ!!!!!!!」

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