大石「おやぁ? 竜宮さんじゃあないですかぁ」
レナ「・・・?」
大石「お忘れですか? 興野宮署の大石です」
レナ「・・・・なにかご用ですか?」
大石「いえいえ、偶然竜宮さんの姿を見掛けましたので・・・・深い意味はありませんよぉ?んっふっふ」
レナ「・・・・レナはもう行きますね」
大石「竜宮さん、少しお時間を頂けないでしょうか?」
レナ「・・・・早くしてくれます?」
大石「えぇ、直ぐに終わりますよぉ? 立ち話もなんです。どうぞどうぞ、お乗りください」
レナ「・・・ふん」
レナ「・・・・用件を早く話してください」
大石「では、単刀直入に聞きます。前原圭一さん、彼について聞きたいんですが、」
レナ「知りません」
大石「・・・本当に?」
レナ「知りません」
大石「なっはっはっはっは! ここまで明確に拒否されると、逆に清々しい気分になりますよぉ」
レナ「話はもう終わりですね。帰ります」
大石「あーっ・・・竜宮さん、もう少しおじさんの小言に付き合ってもらってもいいですかねぇ?」
レナ「・・・・早く終わらせてください」
大石「んっふっふっ〜なぁに、直ぐに終わりますよ」
レナ「そ、それは本当なんですか?!」
大石「えぇ、間違いありません。裏も取れてます」
レナ「・・・・うそだ・・・」
大石「嘘ではありませんよぉ? 一部推測もありますが、残念ながら事実です。辛いでしょうが・・・」
レナ「うそだよ・・・・そんなの・・・だって魅ぃちゃんは・・・!!」
大石「・・・信じたい気持ちはわかります。ですが事実なんです。園崎家が秘密裏に、ある遺体を処理した・・・・間違えようのない事実です」
レナ「うそだよ・・・うそだ・・・うそだ・・! うそだ・・!」
大石「竜宮さん、私はあなたに協力をお願いしたいんですよ」
レナ「・・・・・・・・」
大石「私の勘違いならいいんです。ですが・・・私の考えている通りならば・・・・」
レナ「ま、まだその遺体が圭一くんのものだとはわからないじゃないですか! け、警察はそんな曖昧な情報を・・・!! 嘘だ!! 私は信じない!!」
大石「ですが、遺体が処理されたのは事実です。いずれ遺体も見つかるでしょうねぇ・・・・」
レナ「魅ぃちゃん・・・・」
大石「卑怯だと思っています。警察官である私がこうやって卑劣な捜査方法をとっている事は決して褒められたものじゃあない」
大石「ですがね、竜宮さん! もう目の前まで来ているんですよ!! 雛見沢連続怪死事件、オヤシロ様の祟りなんて呼ばれてますが、決して祟りなんかじゃない!! もう目の前まで来ているんです!!あと少し・・・あと少しで全ての真実がわかる時が来る・・・!!」
大石「私は今年で定年になります。来年には遠く離れた土地に母と二人で菜園でも営みながら過ごす予定なんですが・・・・」
大石「私はね、真実を知りたいんです。私にとって今年が最後のチャンスになります。おっと、チャンスって言い方は不謹慎でした。訂正します」
レナ「・・・・だからって・・・そんな嘘みたいな話を・・・」
大石「藁にも縋る思い、ってやつです。私には時間がありません」
レナ「・・・・・・・・」
大石「お願いします、竜宮さん! あなたの力を貸してください!!」
レナ「い、いやです・・・!」
大石「竜宮さん! これは前原さんの伴いになるかもしれない事なんです! あなたは彼の友達だったんでしょう?!」
レナ「・・・!!」
大石「お願いします!! 私に力を貸してください!!」
レナ「い、いやです! そんなの・・・」
大石「竜宮さんが頷いてくれるまで頭を下げます!どうか、この雛見沢連続怪死事件解決のために!」
大石「前原さんのためにも!!」
レナ「・・・・!」
大石「竜宮さんの力を貸してください! これはあなたにしか出来ないんですよ!!」
レナ「・・・けぇいちくん・・・・」
大石「そうです! 前原さんのためにも! どうか!!」
レナ「・・・けぇいちくん・・けぇいちくん・・けぇいちくん・・」
大石「んっふっふっ〜そろそろ限界ですよぉ」
梨花「入江、あの時の話を聞かせてほしいのです」
入江「・・・わかりました。先ず最初に言っておきますが、この話は状況証拠だけで組み上げた私の憶測です。真実かどうか、それはまだわかりません・・・・」
梨花「別に構いませんです。話を聞くだけなら、ボクにだって出来る事ですから」
入江「梨花さんは前原さんの遺体を実際に見ましたか?」
梨花「見てないのです」
入江「では実際に見たのは、沙都子ちゃんと詩音だけ、と?」
梨花「はいなのです」
入江「・・・実は前原さんが失踪した日の夜なんですが」
入江「あの日、私は診療所で事務処理を行っていたんです」
鷹野「あらぁ、先生はまだお帰りにならないんですか?」
入江「えぇ、少し目を通したい書類がありまして」
鷹野「私は先に帰りますわ。では」
入江「えぇ、さようなら」
「所長、私達も帰ります」
入江「はい、お疲れ様でした。診療所には誰が残っています?」
「あとは所長の警護をしている山狗一名です」
入江「わかりました。では、さようなら」
入江「ふぅ・・・・・・」
山狗「所長wwwww腹減ったっすwwwwww」
入江「たしか給湯室にお茶菓子があったかと」
山狗「wwwwww空きっ腹に菓子っすかwwwww」
入江「あはは、すみません、気の効いたものがなくて」
山狗「まぁいいっすよwwwww今日は菓子で許してやるっすからwwwww」
入江「・・・・・・・・」
山狗「ちょwwwwww菓子ねぇよwwwwwww」
入江「・・・・あっ、そういえば鷹野さんが・・・」
山狗「あのババァwwwwwwwwww」
入江「すみません、早く終わらせますからもう少し待っててください」
山狗「早くしろよwwwwww」
入江「・・・・・・・・」
梨花「嫌なやつなのです」
入江「ふぅ・・・・終わりました」
山狗「おせぇwwwwwマッハでやれwwマッハでwwww」
入江「では帰りましょう。忘れ物はありませんか?」
山狗「wwwww俺は園児かっつーのwwwwwwwww」
入江「・・・・・・・・」
山狗「ほらっwwww突っ立ってんじゃねぇよ所長wwwww」
入江「・・・・・・・・」
山狗「ああんwwwwwあれなんっすかねwwwww」
入江「・・・・・・・・」
山狗「無視してんじゃねぇよwwwwwカカシかwwwwwww」
入江「あ、あれは・・・?!」
山狗「思わせぶりな台詞かよwwww妙な演出すんなwwww」
梨花「・・・いい加減その喋り方はやめてほしいのです」
入江「ま、前原さん?!」
圭一「か、監督?! くそっ!!」
入江「前原さん!」
山狗「追いますか?」
入江「あんなボロボロの身なりです。きっと訳ありなんでしょう・・・・お願いします」
山狗「わかりました」
入江「彼に危害は加えないでください。保護、いいですね?」
山狗「はっ!」
入江「前原さん・・・・どうして血だらけに・・・?」
梨花「・・・おかしいのです。沙都子は、圭一は頭を強く打って死んだと言いましたです・・・・どうして血だらけに・・・・・」
入江「結局、前原さんを見つける事は出来ませんでした」
梨花「・・・・圭一は、一体何をしていたのでしょうか?」
入江「わかりません。うして私を見て逃げ出したのか、わからない事だらけなんです」
梨花「・・・圭一は生きているかもしれないのですね」
入江「残念ですが、その可能性は低いでしょうね」
梨花「・・・・・・・・」
入江「私が見た前原さんは遠目に見ても全身が血塗れていました。それが本人の血なのかわかりませんが、私にはわかります。きっと前原さんは・・・・」
梨花「入江、この事は誰かに言いましたですか?」
入江「当事者の山狗、それと富竹さんに鷹野さん、ですね」
梨花「どうして富竹と鷹野に話したのですか?」
入江「ここからが私の憶測になります」
梨花「・・・・はい」
入江「恐らく彼は・・・・」
昭和58年 6月
鹿骨市雛見沢村にて、ガス災害が発生(以下中略)
大石「んっふっふっ〜寝かせてもらいますよぉ」