第4章 その6

智恵「はーい皆さん、席についてくださーい」
魅音「げっ! 先生来ちゃったよ・・・・」
梨花「詩ぃは遅刻確定なのですよ」
魅音「ったく・・・なーにやってんだか」
梨花「きっとバケツを両手に持たされて、廊下に立たされるに違いないのです」
レナ「はぅ・・・ちょっとかぁいぃかも・・・・」
魅音「あははは、今日のレナは妄想全快だね」
レナ「バケツを持った詩ぃちゃんに・・・・魅ぃちゃんがちょっかいを出して・・・・はぅ〜☆」
梨花「みぃー♪」
魅音「こりゃ重傷だわ・・・・」
智恵「ではホームルームを始めます。委員長、号令」


梨花「そして、お昼休みになりましたのです」
魅音「り、梨花ちゃん?」
レナ「えへへ、今日のお弁当は昨日のレナスペシャルの残り物を詰めてきたんだよー!! じゃーん」
魅音「ありゃ!? 昨日に続いて今日も豪華だねぇ」
梨花「とっても贅沢なのですよ。にぱーっ」
レナ「どうぞ召し上がれ!」
魅音「うん、美味い!」
梨花「ほっぺたがとろとろに溶けてしまいそうなのです」
レナ「そ、そんなに美味しいのかな? はぅ・・・」
魅音「詩音のバカはこれを私に内緒で食べてたなんて・・・こりゃ罰ゲームより酷なお仕置が必要だねぇ・・・くっくっくっ」
詩音「バカで悪かったですねー」
魅音「し、詩音?! あんたいつから?!?!」
詩音「はろろーん」
梨花「詩ぃ、こんにちわなのですよ」
詩音「はーい、ヒロインが遅れて申し訳ありませんね」
魅音「あんたは廊下に立ってな!」
詩音「なんですかお姉? それがレナさんの誤解を解いた私に対する口の聞き方ですかぁ? なってませんね」
魅音「・・うっ・・・すみません詩音様・・・・」
詩音「よろしい」
レナ「詩ぃちゃん、昨日はありがとう」
詩音「礼には及びません。当然の事をしたまでですから」
魅音「・・・・ねぇ詩音、まさかレナに余計な事を吹き込んだりしてないよね・・・?」
詩音「余計な事? お姉が大事にしてる圭ちゃんのし、」
魅音「わーっ!! わーっわーっ!! 」
レナ「なんだろ? 魅ぃちゃんは何を持ってるんだろ? はぅ・・・」
梨花「とっても賑やかなお昼休みになりましたです」
魅音「お、おじさんは楽しくなーい・・・・」
詩音「んふふ、私に勝とうなんて思わない事です」
レナ「そういえば、今日も沙都子ちゃんの所に行くんだよね?」
梨花「はいなのです。沙都子と約束をしましたですから」
魅音「私は行くよ。皆も行くでしょ?」
レナ「もちろん! レナも行くよ!」
詩音「すみません、実はバイトが・・・」
魅音「えーっ、沙都子のお見舞いよりバイト優先なわけぇ?」
詩音「お姉と違って、私は極力自炊ですからね」
レナ「しょうがないよ魅ぃちゃん」
魅音「じゃあ明日ね。明日は絶対行く事!これは部長としての命令だから」
詩音「はいはい、わかってますって」


智恵「それでは皆さん、気をつけて下校してくださいね。委員長、号令」
魅音「きりーつ、気をつけ、礼」

「「さよーならー」」

魅音「よし! 早速診療所に行こう」
梨花「みぃー」
詩音「では皆さん、私はこれで」
レナ「じゃあねー詩ぃちゃーん」
魅音「ちぇっ、詩音のやつケチだよねぇ」
レナ「あははっ、ほら、行こっ?」
梨花「なんだか今日はとても楽しい一日だったのです」
レナ「そうだね。久しぶりに楽しいと思えた一日だったよ」
魅音「詩音がいなきゃもっと楽しかったんだけどねー」
レナ「そうかな? 詩ぃちゃんがいた方がレナは好きだよ。だって魅ぃちゃん、とってもかぁいくなるんだよ? だよ?」
梨花「ボクもレナに賛成なのです。にぱーっ」


入江「沙都子ちゃん、具合はどうです?」
沙都子「だいぶ楽になりましたわ。監督のおかげでしてよ」
入江「いえいえ、ご主人様として当然の義務を果たしたまでに過ぎませんよ〜!!」
沙都子「・・・・頭が痛くなってきましたわ・・・」
入江「沙都子ちゃん、何か良い事でもありましたか?」
沙都子「・・・? どうしてそんな事を聞きますの?」
入江「いえ、沙都子ちゃんの容体が以前より格段に安定していますので。更にそのスピードさえも。まるで昔とは比べ物になりませんよ」
沙都子「・・・・きっと圭一さんのおかげですわ」
入江「前原さんの、ですか?」
沙都子「えぇ・・・・だって私は、早く元気になって圭一さんに謝らなくてはなりませんの・・・・」
入江「沙都子ちゃん・・・」
沙都子「圭一さんは待ってくださっていますわ・・・私が遅れるわけにはいきませんもの・・・・」
入江「・・・・沙都子ちゃん、その話で、」
「入江先生、北条沙都子さんのお友達が来られましたが」
入江「え、ああ、はい。通してもらって構いませんよ」
沙都子「監督? 何を言おうとしましたの?」
入江「なんでもありませんよ。早く元気になれるといいですね」
沙都子「えぇ、梨花達にあまり心配をかけたくありませんわ。それに圭一さんのためにも・・・・」
入江「・・・・・・・・」

魅音「さーとこっ」
沙都子「あら皆さん、今日も来てくださりましたのね。ありがとうございますわ」
梨花「みぃ、ボク達は暇人なのです」
沙都子「おーっほっほっほ! 違いありませんわぁ」
レナ「沙都子ちゃん、なんだか元気そうだね!」
沙都子「えぇ、おかげさまで体調はバッチリとはいかずとも、だいぶ調子は戻ってきましたの」
魅音「よかったね、梨花ちゃん」
梨花「はいなのです。また沙都子と一緒にお買い物に行く日を楽しみにしているのですよ」
沙都子「・・お・・・かい・・も・・・の・・?」
梨花「沙都子?」
沙都子「な、なんでもありませんわ・・・・」
魅音「いやぁ、しっかし見違えたね!」
沙都子「何がですの?」
魅音「たった数日で回復出来るなんてさすがだよ沙都子!不死身の部員がいるなんて部長としては鼻が高くなるねぇ!」
沙都子「おーっほっほっほ! 当然ですわぁ!私ならもう大丈夫ですのよ?」
梨花「沙都子、無理はよくありませんです」
レナ「そうだよ沙都子ちゃん。まだ安静にしてなきゃ」
沙都子「こんなの平気でしてよ。早く元気にならないと、圭一さんに笑われてしまいますもの」
レナ「・・・? 圭一くん・・?」
沙都子「えぇ、圭一さんが私を待っていますの」
梨花「沙都子・・・・・」
レナ「・・・・けぇいちくん・・・」

梨花「沙都子、圭一は、」
魅音「梨花ちゃん・・・・今はダメだよ」
梨花「・・・・・・・・・でも・・・」
魅音「今はダメだよ。・・・・今は、ね」
レナ「沙都子ちゃん、さっきから何を言っているの?」
魅音「ッッ?!?! レナ!!」
沙都子「何をって・・・・早く元気になって圭一さんに会いに行くんですのよ?」
レナ「・・・・ふーん」
沙都子「レナさん? どうなさいましたの?」
レナ「・・・・・べつに」
梨花「沙都子、そろそろボク達は帰りますです」
沙都子「あらぁ、もう少しゆっくりしてもいいんですのよ? 私はもう、」
魅音「ごめん沙都子、帰るよ」
沙都子「えっ? そ、そうですの・・・」


梨花「二人共、先に帰っててくださいです。ボクは入江にお話があるのです」
魅音「うん、わかった。行こう、レナ」
レナ「じゃあね、梨花ちゃん」
梨花「はい。また明日、なのですよ」
レナ「あっ、そうだ梨花ちゃん」
梨花「なんですか?」
レナ「・・・・梨花ちゃんは監督と何のお話をしているのかな? ・・・・かな・・?」
梨花「みぃ? 沙都子のお話なのですよ」
レナ「そうなんだ。監督に沙都子ちゃんをよろしくって伝えておいてほしいな!」
梨花「はい、伝えておきますです」
レナ「うんっ! じゃあね、梨花ちゃん」
梨花「また明日、なのですよ」
魅音「レナ? 梨花ちゃんと何を話てたの?」
レナ「なんでもないよ」


入江「レナさんが、ですか?」
梨花「はいなのです。昨日とはまるで別人の様に見えてしまいましたのですよ」
入江「・・・・・不可解な点がありますね」
梨花「はい・・・ボクも信じたくはありませんが・・・・」
入江「注意はしておいてください。彼女がどんな突発的な行動を起こすのか、誰にもわかりませんから」
梨花「わかりましたです。入江、沙都子はどうなのですか?」
入江「・・・・はっきり申し上げれば、実はとても危険な状態なのかもしれません・・・・・」
梨花「みぃ、沙都子が何を考えているのか、ボクにはわからないのです。沙都子は一体・・・・」
入江「一種の暗示、かと思われます。それもかなり強い」

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