5章 その2

詩音「お姉、いい加減起きてください」
レナ「魅ぃちゃん、もう朝だよ。起きて」
魅音「・・・・ん・ぅ・・し・・おん・・・・」
詩音「おはようございます、お姉」
レナ「レナもいるんだよ。だよ」
魅音「・・・れ・・・・な・・・」
詩音「うーん・・・ちょっと強過ぎちゃいましたね」
レナ「そうかな? 魅ぃちゃんにはこれくらいで丁度いいと思うな。ねっ、魅ぃちゃん」
魅音「・・・・ここは・・・?」
詩音「あらぁ、まだ気付きません? お姉の大好きな拷問部屋ですよ。気分はどうです?」
魅音「・・・さ・・い・・・てぇ・・・・だね・・・」
レナ「あはははっ、魅ぃちゃんは寝起きが悪いみたいだね」
魅音「・・・ど・・う・・・して・・・・」
詩音「どうして? だから何度も言わせないでくださいよ」
レナ「魅ぃちゃん、圭一くんを返して」
魅音「だから・・・!! 私は知らないって・・・・何度も言ったじゃない・・・・!」
詩音「だから何度も言わせないでください。お姉は自分の立場がわかってるんですか?」
レナ「いくら魅ぃちゃんでも逃げられないよ。だって両手足を縛られてるんだもん」
魅音「逃げるつもなんてない・・・!!」
詩音「勇ましいですねぇお姉。まぁ、私達もお姉に危害を加えたいわけではありません。お姉が正直に、全てを話してくれれば直ぐに解放してあげますから」
魅音「答えは変わらないよ・・・・私は何も知らない。そんな事知りたくもないのに・・・・!!」
レナ「強情な魅ぃちゃん・・・レナは嫌いだよ」
詩音「まーだ電撃が足りないんですかぁ? さっきは加減して威力を抑えてあげましたけど・・・・」
魅音「知らない! 何度も言わせないで!!」
レナ「魅ぃちゃん。レナね、ずっと魅ぃちゃんを信じてたんだよ? 魅ぃちゃんは友達だから、レナの一番の親友だから・・・・なのに・・・ッッ!!」
魅音「待ってよレナ! どうして私を疑うの?!私もレナが親友だって・・・・レナを信じてるのに・・・」
レナ「・・・・大石さんに教えてもらったの」
魅音「お、大石? どうしてあんな奴の言葉なんか・・・」
レナ「元々は詩ぃちゃんのおかげなんだけどね」
魅音「詩音・・・・どうして・・・」
詩音「聞いちゃったんです。それも偶然にね。園崎組である遺体が処理されたって」
魅音「・・えっ? そ、それは私も初耳だよ!」
詩音「またまたぁ! お姉ったらとぼけちゃってー」
レナ「あはははははっ!! 知らないフリはよくない事だって、レナは言ったよ?ぉ」
魅音「し、知らない! 本当に知らないの!!」
詩音「・・・・誰の遺体かはわかりませんが、それは時間の問題です。きっと大石さんが見つけてくれますからね」
レナ「あはははっ! 残念だったね、魅ぃちゃん」
魅音「・・・・どうして大石なんかに!!」
詩音「たまたま利害関係が一致しただけですよ。私は圭ちゃんを見つけたい。大石はオヤシロ様の祟りの真相を知りたい。お互いが利用しあってる関係ですね」
魅音「でも・・・オヤシロ様の祟りの真相が・・・・どうして私に関係しているの? 私は祟りとは・・・・」
詩音「悟史くん」
魅音「えっ? し、詩音?」
詩音「悟史くんを消したのはお姉・・・・いえ、園崎家なんでしょう? 園崎家が悟史くんを鬼隠しした。あってますよね?」
魅音「ち、違う! 悟史と園崎家は何も関係無いよ・・・!!」
詩音「私は爪を剥しました。私が迷惑をかけた葛西、おじさん、そして悟史くんのケジメのために」
詩音「なのに・・・・私はケジメをつけた筈なのに・・・!」
魅音「詩音! 前に話したでしょう?! 婆っちゃは悟史と詩音を・・・許すって言ったんだよ・・・・」
詩音「では聞きますが、どうして悟史くんは鬼隠しにあったんでしょうね?」
魅音「・・・・知らないよ」
詩音「お姉、これ以上私を怒らせないでください・・・・」
魅音「詩音・・・・・」
詩音「鬼婆ならともかく・・・私だってお姉をこんな目には・・・・」
魅音「・・・・えっ?」
レナ「・・・? 魅ぃちゃん?」
魅音「・・・・・ば、婆っちゃは・・・?」
詩音「え? 鬼婆ですか?」
魅音「そうだよ! 婆っちゃはどうしたの?!」
詩音「・・・・・ふふっ」
魅音「し、詩音!? あんたまさか?!?!」
レナ「大丈夫だよ、魅ぃちゃん。お婆ちゃんなら寝てるから」
魅音「ね、寝てるって・・・?」
レナ「心配しなくても大丈夫。レナが止めたから」
詩音「まったく・・・・せっかくいい所だったのにレナさんが止めちゃうんですよー」
レナ「ダメだよ詩ぃちゃん、お婆ちゃんは可哀想だもん」
詩音「別に私は殺したって構わないんですけどねー」
魅音「・・・や、やめて詩音! 婆っちゃはダメぇ!!」
詩音「・・・・そんなに鬼婆が大事なんですか?」
レナ「大丈夫だよ、魅ぃちゃん。ちゃんと正直に話してくれれば何もしないから。何も・・・あははっ」
魅音「・・・・・レナぁ・・・・」
レナ「だからね、正直に話してほしいの。魅ぃちゃんが話してくれれば、皆助かるんだよ? だよ?」
魅音「・・・・・れ・・・なぁ・・・ぅぁ・・・」
詩音「あははっ!! 鬼の目にも涙ですか! お姉も人間みたいに涙を流せたんですねぇ」
魅音「・・・しらないの・・・・ほんとに・・・しらないの・・・」
レナ「魅ぃちゃん・・・・」
詩音「ここまで強情だと・・・・私でも我慢出来なくなってきましたよ・・・・!!」
魅音「し、しんじてよ・・・・! わたし・・・・しらないの・・・」
詩音「信じろってお姉に言われても・・・・ねぇレナさん」
レナ「・・・・・・・・」

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