6章 その1

沙都子「おーっほっほっほ! 無様ですわね、圭一さん!!」
圭一「ぐわっ! いってぇ・・・・沙ぁ都子ぉ!!」
沙都子「おーっほっほっほ! 私を前にして気を抜くとは、愚かにも程がありましてよ〜??」
圭一「こ、このッ! むぁ〜てぇ〜! さぁ〜とぉ〜こ〜!!」
沙都子「待てと言われて待つ人間がいると思いましてぇ? おーっほっほっほ!」
圭一「・・・・・沙都子」
沙都子「・・・? 圭一さん?」
圭一「・・・・・・・・・・」
沙都子「な、なんですの? どう・・・なさいましたの・・?」
圭一「・・・・・沙都子」
沙都子「け、圭一さん? あ、あの・・・」
圭一「・・・・・・・・・・」
沙都子「あの・・・少しやり過ぎたのかもしれませんわ・・・・」
圭一「・・・・・・・・・・沙都子」
沙都子「あの・・・・えっと・・その・・・・・」
圭一「じゃあな、沙都子」
沙都子「・・・・圭一さん・・・?」
圭一「じゃあな」
沙都子「け、圭一さん?! ま、待ってくださいまし!」
圭一「じゃあな」
沙都子「ま、まって・・・・まって・・・圭一さん・・・まってくださいまし・・・・お願い・・まって・・・」
圭一「・・・・・・・・じゃあな」
沙都子「・・・・け、圭一さん! まって・・・・まってぇぇええええぇええぇぇ!!!!!!」


沙都子「うあっ・・・・!!」
沙都子「はぁっ・・・・はぁ・・はぁ・・・・・」
沙都子「・・・けぇ・・・いち・・・・さん・・・」
沙都子「・・・・ゆめでしたの・・?」
沙都子「けぇいちさん・・・・けぇいちさん・・・!」
沙都子「・・・・・・・わたくしは・・・」
入江「大丈夫ですか?! 沙都子ちゃん!」
沙都子「・・・かんとく・・・・どうなさいましたの・・・・・・・なにをそんなにあわててますの・・・?」
入江「沙都子ちゃん・・・うなされていましたよ。何か悪い夢でもみたんじゃないんですか?」
沙都子「・・・・・悪いなんて・・・」
沙都子「圭一さんに会えましたもの・・・・悪い夢の筈ありませんわ・・・・私なら大丈夫でしてよ・・・」
入江「・・・沙都子ちゃん」
沙都子「私は本当に大丈夫ですのよ? 私なら・・・私なら本当に大丈夫ですの・・・・・」
入江「・・・・わかりました。早く元気になりましょうね」
沙都子「そうですわ・・・私は早く元気になって・・・・謝らなければなりませんもの・・・・早く・・・」
入江「沙都子ちゃん・・・・・」
沙都子「監督も皆も、少し心配し過ぎですわよ?私ならもう平気ですの。だから・・・・あの・・・」
入江「駄目ですよ。それは医師として許可出来ません」
沙都子「・・・・・・・・・」
入江「安静にして、ゆっくり休んでいてください。それが沙都子ちゃんのやるべき事です」
沙都子「・・・・・・・・圭一さん・・・」


レナ「はうぅ・・・・結構大変だね」
梨花「全然手入れがされてないのです・・・・」
レナ「智恵先生、きっとわかってて言ったんだよ」
梨花「みぃ、智恵もなかなか隅に置けないのです」
レナ「あはははっ! そうだね。面倒だからってレナ達に押しつけるのは良くないと思うな。思うな」
梨花「この会話を智恵が聞いていたら、きっと明日もレナとボクはこき使われると思うのですよ」
レナ「あはははっ、そうかもしれないよ〜。じゃあ、早く終わらせよ? レナは草むしりをするから、梨花ちゃんは水やりをお願いね」
梨花「了解、なのですよ。にぱーっ」


レナ「・・・んしょ・・・・んしょ・・・ふぅ・・・」
大石「おやおやぁ、頑張ってますねぇ」
レナ「あ、大石さん! こんにちわ」
大石「どぉもぉこんにちわぁ。お一人でやってるんですか?」
レナ「梨花ちゃんと一緒です。先生に怒られちゃって・・・その罰なんです。あはははっ」
大石「なっはっはっは。それはそれは、ご愁傷様です」
レナ「大石さんはどうしてここに? もしかして・・・・」
大石「えぇ、御察しの通りです。今、お時間はよろしいですか?」
レナ「えっと・・・・もうちょっと待っててもらえますか?」
大石「えぇえぇ、構いませんよぅ? んっふっふっふ」


梨花「みぃ? 大石がいますのです」
大石「どぉもぉ。お邪魔してますよぅ? んっふっふっふ」
レナ「大石さんはレナに用があるの。だから待ってもらってるんだよ」
梨花「それなら、大石にも手伝ってもらえばいいのです」
レナ「・・えっ? そんな! 大石さんに悪いよ・・・」
大石「なっはっはっは! 別に構いませんよぅ?定年後のお勉強にもなると思いますので。んっふっふ」
レナ「あっ・・・すみません、ありがとうございます」
梨花「三人でやれば、きっと直ぐに終わるのです。にぱーっ」
大石「んっふっふっふっ〜たまにはこういうのもいいですねぇ」


梨花「ジャージャー、なのです」
レナ「ふぅ・・・・ありがとうございます。大石さん」
大石「こう何度もお礼を言われると、なんだかむず痒くなってしまいますねぇ。んっふっふっふ」
梨花「若い女の子に囲まれて、大石は幸せ者なのです」
大石「なっはっはっは! いやぁ、天国みたいですねぇ」
レナ「・・・んしょ・・・よーし!」
梨花「みぃーとっても綺麗になりましたのです」
レナ「うんっ! 梨花ちゃん、お疲れ様。大石さんもお疲れ様でした」
大石「こうやって汗を流すのも悪くない・・・・定年後の生活も悪い気がしなくなってきましたよぉ。なっはっはっはっは!」
梨花「では、智恵に報告して早く帰りましょうです」
レナ「そうだね」

PREV HOME NEXT