6章 その2

大石「・・・・・・ふぅ・・・・」
レナ「お待たせしましたぁ!」
梨花「お待たせなのです」
大石「いえいえ、では竜宮さん。少しよろしいですか?」
レナ「はい。梨花ちゃん、先に診療所に行ってて」
梨花「はいなのです。では大石、さよならなのですよ」
大石「はぁい、さようならぁ。んっふっふっふ」
レナ「・・・・あの話、ですか?」
大石「はい。・・・・先に言っておきたい事があるんですが、よろしいでしょうか?」
レナ「・・? はい。いいですよ」
大石「・・・・申し訳ありませんでした」
レナ「お、大石さん?! どうしたんだろ? だろ・・?」
大石「本当に、申し訳ありませんでした・・・!」
レナ「あ、頭を上げてください。レナには何がなんだか・・・・」


レナ「・・・・それは・・・本当ですか・・?」
大石「・・・はい。間違いありません。犯人も見つかっています。・・・御恥ずかしいかぎりです」
レナ「・・・・・・・・・・」
大石「・・・・謝って済むなのなら、いくらでも謝ります!今更だと思ってらっしゃるでしょう・・・・今考えれば・・・・私は焦っていたのかもしれません・・・」
レナ「大石さん・・・・・」
大石「オヤシロ様の祟りを・・・・私の定年を迎える前に、なんとか解決出来ないか・・・・こんな歳にもなって・・・・ははははっ」
レナ「・・・・大石さん、顔を上げてください」
大石「竜宮さん・・・・私のやった事は、刑事として最低の事だと、私は自覚しています。自覚しているからこそ! ・・・・私は謝りたかった・・・・」
レナ「・・・・今更謝って・・・謝ったら・・・」
大石「・・・・・・・・・・」
レナ「謝ったら・・・・レナが許すとでも思ったんですか・・・!!」
大石「本当に! 申し訳ありませんでした・・・!!」
レナ「・・・・・もし大石さんがレナの前に現れなかったら・・・」
大石「・・・・・・・・・・」
レナ「大石さんが・・・あんな話をレナにしなかったら・・・・」
大石「・・・申し訳ありません・・!」
レナ「・・・・・・・・・レナは・・・・」


レナ「・・・・・大石さん、頭を上げてください」
大石「竜宮さん・・・・私は・・・!!」
レナ「もういいんです。レナは怒ってません」
大石「・・・・それは本当ですか?」
レナ「はい。むしろ・・・・嬉しい、かな・・・」
大石「う、嬉しい・・・・ですか?」
レナ「えへへ、レナも悪かったんだと思います。魅ぃちゃんを、友達を信じていれば・・・・大石さんの話を真に受ける筈なかった・・・・」
大石「・・・・・そう・・・ですか・・・」
レナ「だから、もういいんです。それに・・・・レナのやった事はきっと許してもらえない・・・」
大石「・・・竜宮さん?」
レナ「だから・・・・もういいんです! レナは怒ってなんかいませんから! ねっ、大石さん!」


大石「本当によろしいんですか?」
レナ「はい、診療所には歩いて行きます」
大石「わかりました。では竜宮さん、また会いましょう」
レナ「えぇ〜? 大石さんは刑事なのに・・・・」
大石「なっはっはっは! そうでしたねぇ。もう会う事がない方がいいのかもしれません」
レナ「あはははっ、そうですよ〜」
大石「・・・竜宮さん、ありがとうございました」
レナ「もう・・・いいんです」
大石「・・・わかりました。では竜宮さん、よいお年を」
レナ「はい! 大石さんもよいお年を〜」
大石「んっふっふっふっ〜」
レナ「・・・・・・・・・・」
レナ「・・・・・・やっぱり・・・」
レナ「・・・やっぱり・・・・圭一くんは・・・!!」
レナ「圭一くんは・・・・生きてるんだ・・・・・!!」


梨花「沙都子、こんにちわなのです」
沙都子「あら、梨花じゃありませんの。いらっしゃいませ」
梨花「沙都子の顔色が、とても良くなった気がしますです」
沙都子「いつまでもこんな所で休んでいるわけにはまいりませんもの。・・・・今日は皆さんお揃いじゃありませんのね・・・・・」
梨花「レナは少し遅れて来ると思うのです。・・・・詩ぃと魅ぃは・・・・・・」
沙都子「梨花?」
梨花「・・・・きっと来てくれますですよ」
沙都子「べ、別に毎日お見舞いに来てくださなくとも・・・・私は一向に構いませんわよ?」
梨花「そうすると、沙都子の機嫌が悪くなりますのです」
沙都子「わ、私は別に・・・!」
梨花「みぃー♪」
沙都子「梨ぃ花ぁ!」


入江「おや、梨花さんじゃないですか」
梨花「入江、こんにちわなのです」
入江「えぇ、こんにちは。今日も来てくれたんですね」
梨花「来ないと沙都子に何をされるかわからないのです・・・・」
沙都子「梨花ぁ! 監督に妙な事を吹き込まないでくださいましぃ! まったく・・・・ぶつぶつ」
入江「あはははは。梨花さん、ありがとうございます。沙都子ちゃんが元気になってくれました」
梨花「ボクは何もしていないのですよ。にぱーっ」
沙都子「・・・・皆さんが来ると騒々しくなりますわ」
入江「あはははは、いいじゃないですか」
梨花「そうなのです。楽しい事に、何も悪い事はないのですよ。入江もボクの味方なのです。にぱーっ」
沙都子「監督、梨花を甘やかさないでくださいまし!」


入江「すみません。それより、少し梨花さんとお話をしたいのですが、よろしいですか?」
沙都子「・・・? どうして私に聞きますの?」
梨花「沙都子の了解を得ないと、きっと寂しくて泣き出してしまうのです。沙都子はボクがいないと生きていけない体なのですよ。にぱーっ☆」
沙都子「り、梨花ぁ・・・・なんだか妙な意味として捉えてしまった人がいますわよ・・・・・」
入江「いいですねぇ・・・沙都子ちゃんと梨花ちゃんが・・・んふ〜☆」
梨花「ほおっておけばいいのですよ」
沙都子「・・・・自分で蒔いた種ではございませんの」
入江「では、少し梨花さんをお借りしますね」
梨花「沙都子、ちゃーんと帰ってきますから、泣いてしまってはいけないのですよ?」
沙都子「そ、そんな事で泣いたりしませんわよぉ!」

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