6章 その4

沙都子「・・・・ですのよー!! それに梨花ったら・・・」
レナ「あはははっ! 梨花ちゃんらしいや」
沙都子「まったく・・・・私をなんだと思ってますやら・・・」
レナ「うふふっ、沙都子ちゃんは幸せ者だよ。梨花ちゃんみたいな素敵な友達がいるんだもん!」
沙都子「あらぁ、それでしたらレナさんも同じではありませんの。私もレナさんも、同じですわぁ!」
レナ「一緒だね。だねっ! うふふっ」
沙都子「えぇ、一緒ですわ。きっと皆・・・・一緒なんですの」
レナ「沙都子ちゃん? どうしたの?」
沙都子「な、なんでもありませんわ・・・・それよりレナさん、そろそろ帰った方がよろしいんじゃありませんの? 外はもう真っ暗ですわ」
レナ「うん、そうだね。沙都子ちゃん、明日も来るからね〜」
沙都子「えぇ、お待ちしていますわ」


レナ「魅ぃちゃんと詩ぃちゃん・・・・来なかった・・・」
レナ「・・・・魅ぃちゃんに謝らないと」
レナ「詩ぃちゃんもわかってくれるよね・・・・・魅ぃちゃんは何も悪くないって・・・・うん・・」
レナ「魅ぃちゃん・・・・ごめんね・・・」
レナ「ごめんね・・・・信じてたのに・・・レナは・・・・・レナは信じてたのに・・・・どうして・・・どうして信じられなくなっちゃったの・・・ッ!!」
レナ「・・・・レナは信じる・・・」
レナ「レナは信じるよ・・・皆を信じる・・・・」
レナ「圭一くんも・・・・信じてるから・・・・・」
レナ「・・・・生きてる・・・圭一くんは生きてるの・・・!!」


沙都子「・・・・・・・・・」
沙都子「・・・・・・・・・・・んっ・・・・・」
圭一「沙都子、起きろ」
沙都子「・・・・・・え・・・けぇ・・・」
圭一「起きろよ、沙都子」
沙都子「・・・・・・・また・・・・ゆめですの・・・?」
圭一「はぁ? お前何言ってんだぁ?」
沙都子「・・・・・だって・・・けぇいちさんは・・・」
圭一「お、おいおい・・・本当に大丈夫か? 何か悪い物で食べたんじゃ・・・・」
沙都子「ひ、人を雑食みたいに言わないでくださいまし!」
圭一「あはははっ、ごめんごめん」
沙都子「・・・ふん」
圭一「なんだぁ? 機嫌悪いみたいだな」
沙都子「別に私は・・・・」
圭一「何があったか知らないけど、そんな顔すんなよ」
沙都子「ど、どんな顔をしていましたの?」
圭一「そうだな・・・・ブロッコリーとカリフラワーを並べられて、どっちがブロッコリーか当ててみろ!! って言われた時の顔だな。うん」
沙都子「そ、そんなの簡単ですわぁ! えっと・・・・緑が・・・・ぶろっこり・・・えと・・青が・・・」
圭一「あははははっ! そうそう、そんな顔してたぜぇ?」
沙都子「なッ!? むきーっ!!」
圭一「いててっ! 痛いって!」
沙都子「ふーんっだ! 圭一さんなんて・・・ぷんぷんでございますわよ!」
圭一「ったく・・・・沙都子は・・・」


沙都子「それより・・・・どうして圭一さんは・・・・」
圭一「ん?」
沙都子「どうして・・・・どうして私の夢に出て来ますの・・・?」
圭一「・・・・さあ、どうしてだろうな」
沙都子「答えになっていませんわ・・・・!」
圭一「あははっ、俺にもわからないんだ。気付いたらここにいてさ・・・・そして・・・」
沙都子「そして・・・・?」
圭一「・・・沙都子が悲しそうな顔をしているんだ」
沙都子「・・・!」
圭一「なんて言うか・・・お前のそんな顔は・・・見てて良い気がしないから・・・まぁ・・・・」
沙都子「・・・・・・・・に・・」
圭一「ん? 何か言ったか?」
沙都子「・・・にーにー・・! にーにー・・・・!! 」
圭一「さ、沙都子?」
沙都子「にーにー・・・! にーにー・・・!!」
圭一「・・・・ほら、泣くなよ」
沙都子「にーにー・・・! ・・・にーにー・・・・!!」
圭一「どうして泣いてるんだ?」
沙都子「・・・ごめんなさい・・ごめんなさい・・・!ごめんなさい・・・!! ごめん・・なさ・・・い・・!」
圭一「何を謝っているんだよ沙都子。お前は何も悪くない」
沙都子「にーにー・・・! ・・ごめんなさい・・・!!ごめんなさい・・・・! にーにー・・・!!」
圭一「・・・・じゃあな」
沙都子「━━━ッッ!? にーにー!!」
圭一「じゃあな、沙都子」
沙都子「まって! まってよにーにー!! まってぇ!!」
圭一「もう時間なんだ」
沙都子「いやぁ・・・いやぁ・・・! にーにー・・・・!!」
圭一「泣くな、沙都子」
沙都子「にーにー・・・・まって・・・にーにー・・・!!」
圭一「沙都子」
沙都子「いやぁ・・・・いかないで・・・いやぁ・・・!!」
圭一「待ってるからな」
沙都子「にーにー!! にーにー!! にーにー!!!!」
圭一「じゃあな」
沙都子「・・・・・にーにー・・・にーにー・・・・!!」


沙都子「・・・・・・・・・・」
沙都子「・・・・・・・あっ・・・・」
沙都子「・・・・・ゆめ・・・・でしたのね・・・」
沙都子「・・・・・・・んんっ・・・」
沙都子「・・・・・夢なんかじゃ・・・・なかった・・・!」
沙都子「圭一さんは・・・・圭一さんは・・・・・・・ずっと待っていてくださいましたのね・・・!」
沙都子「圭一さん・・・・待っていてくださいまし・・・・沙都子は・・・・会いに行きますわ・・・にーにー・・・・」
沙都子「・・・・監督・・・ごめんなさいですわ・・・・」

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