7章 その4

「大石さん、ご苦労様です」
大石「どぉもぉ。それで、害者は何処です?」
「こちらです」
大石「・・・・」
熊谷「お、大石さん・・・これは・・・・」
大石「どうしてですか・・・・どうしてあなた達がこんな所で・・・・こんな死に方をしなくてはならないんですか・・・!!」
熊谷「自分の首を掻き毟って死んでしまった富竹ジロウとまったく同じっすね。こっちは・・・・刺し傷?」
「包丁の様な刃渡りの長い刃物による刺し傷だと思われます」
熊谷「そうですか」
大石「・・・・・・・・・・」
熊谷「大石さん?」
大石「す、すみません・・・・で、なんですか?」
熊谷「こっちの害者を見てください。死因は富竹ジロウと同じの様に見えますが・・・・妙じゃありませんか?」
大石「そうですね。体に痣や傷跡等は見られないみたいですから・・・・うーん・・・一体何なんでしょうねぇ」
熊谷「暴行の後は見られないとしたら、やはり薬物でしょうか?」
大石「さぁてね。そっちは鑑識に任せます。ですが・・・・私には信じられません。・・・・薬物じゃない」
熊谷「・・・・こんな死に方は尋常じゃないっすよ」
大石「不自然な点は多々あります。この話はまた後で。それで、第一発見者は何処にいますぅ?」
「あちらです」
レナ「・・・・・・・・・・」
大石「・・・・どぉもぉ竜宮さん。またお会いしましたね」
レナ「大石さん・・・・・」
大石「竜宮さんの心中、お察し致します。ですがあなたには捜査に協力してもらいたいんです。お辛いでしょうが、どうかお願いします」
レナ「・・・はい・・・・・わかってます」
大石「・・・・ここで何があったんです?」
レナ「・・・・わかりません・・・」
大石「わからない・・・・ですか」
レナ「そんなの・・・・わかる筈ないじゃないですか!!だってレナは・・・・謝りに来ただけなのに・・・・!!・・・・なのに・・・・なのに・・・!!」
大石「竜宮さんがここへ来た時には、既に園崎魅音さん、詩音さんの両名はあの状態だったと・・・これでよろしいですか?」
レナ「はい・・・・」
大石「竜宮さん、何か彼女らの死に関して心当たりは?」
レナ「・・・・無いに決まってるじゃないですか!! だって詩ぃちゃんとは昨日電話で話をしたんですよ?!魅ぃちゃんに・・・・まだ謝ってないのに・・・・こんなのって・・・・こんなって・・・酷いよ・・・・」
大石「・・・竜宮さん、魅音さんの死因はわかりますよね?腹部を刺されてます。証拠品もあります。彼女の死は人為的なものだと思われます。それについては?」
レナ「し、知らない! 知らない知らない!!魅ぃちゃんは・・・誰かに恨まれる様な人じゃありません・・・!! 魅ぃちゃんは・・・ぅぅっ・・」
大石「竜宮さん・・・・・」
レナ「魅ぃちゃん・・・・・・詩ぃちゃん・・・・ぅぁ・・・・・ぅ・・・・・くぁっ・・・・うわぁああぁぁん!! 」
大石「落ち着いてください竜宮さん!」
レナ「レナはぁ! レナはまだ謝ってないの・・・・!! なのに・・・魅ぃちゃん・・・いなくなっちゃった・・・・魅ぃちゃん・・・・・・・みぃちゃん・・・・・みぃ・・・・ちゃん・・・」
大石「・・・園崎詩音さんについては?」
レナ「・・・・ぅぅ・・・やっぱり・・・・・そうだ・・・・やっぱり・・・・オヤシロの祟りなんだ・・・・!!」
大石「竜宮さん! 祟りなんかじゃありません!!」
レナ「違う!! これは祟りなんです・・・・!!オヤシロ様がレナに下した祟り・・・・なんです・・・」
大石「竜宮さん。今回は断言しますよ。これは祟りなんかじゃあない!!」
レナ「・・・・祟りなんです・・・レナの・・・・・・・お友達が・・・死んでいくんだ・・・!!」
大石「竜宮さん、落ち着いて考えてください!! 園崎魅音さんは何者かによって刺されたんです!! これは他殺!!犯人はいるんですよ!!」
レナ「ッッ!! オヤシロ様もいるんです!!!!」
大石「わかりました、わかりましたよ。ですがね、竜宮さん。あなたは祟りと言いますが・・・・園崎魅音さんを刺した人物、これが竜宮さんのおっしゃっているオヤシロ様ですか?」
レナ「そ、それは・・・・・」
大石「犯人はいるんです。犯行に使われた凶器も押収しています。ましてや現場は園崎本家です。犯行を実行出来る人間は限られています。・・・・時間の問題ですよ。直ぐに見つかります」
レナ「・・・・オヤシロ・・・さま・・・」
大石「竜宮さん! いい加減にしてください!!あなたがそんな調子でどうするんですか?!」
レナ「・・・・!!」
大石「いいですか竜宮さん。あなたの辛いお気持ちはよーくわかります。ですがね、辛いからといって塞ぎ込んでいても何も始まらないんですよ。何でも構いません。何か気になる事や心当たりはありませんか? 何でも結構ですから」
レナ「・・・・・・・・・・」
大石「・・・・私はね、この一連の事件、全てがあなたに関係しているのではないか・・・・そう考えているんです」
レナ「・・・・どうしてですか・・?」
大石「それは竜宮さん自身をわかっておられる筈です。被害者は全て、あなたのお知り合いなんですよ」
レナ「・・・・れ、レナの・・・レナの・・・・」
大石「えぇそうです。竜宮さん、どんな些細な出来事でもいいんです! 何か心当たりはありませんか?!」
レナ「・・・・・わたしの・・・とも・・・・だち・・・・・・・・・・・・・・・あ・・・・・・あ・・・!!」
大石「竜宮さん?! 何か思い出しましたか?!?!」
レナ「さ、沙都子ちゃん! 沙都子ちゃんが危ない!!」
大石「ほ、北条沙都子さん・・・・ですか?」
レナ「・・・・そうだよ・・・きっと次は沙都子なんだ・・・・・・・沙都子ちゃんが祟りに・・・・あああ・・・」
大石「り、竜宮さん! 落ち着いてください!!」
レナ「沙都子ちゃん・・・お願い・・・・無事でいて・・・!!」
大石「竜宮さん! 待ってください! 竜宮さん!!」

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