7章 その5

魅音「何をしていたの?」
「・・・・・・・・・・・・」
レナ「心配してたんだよ? レナはね・・・・ずっと待ってた」
「・・・・・・・・・・・・」
レナ「・・・・どうして何も言わないのかなぁ・・・!!」
魅音「ねぇ、何をしていたの? ねぇ・・・・くっくっくっ・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
レナ「・・・何か言ってよ」
「・・・・・・・・・・・・」
レナ「何か言えって言ってんの!!!!!!!!」
「・・・・・ごめん、寝てた」
魅音「罰ゲーム、だね」
レナ「あはははははははははっ!!!!何にしようかなぁ・・・?・・・・かなぁ!!」

居 眠 り し て た ご め ん な さ い


大石「・・・竜宮さん」
熊谷「お、大石さん。行かせてもよかったんですか?」
大石「よかったも何も・・・・下手に刺激してしまうと余計なトラブルを招いてしまうかもしれません」
熊谷「大石さん・・・・少し変わりましたね」
大石「そうですか? いやぁ、自分ではわからないものですねぇ。なっはっはっは!」
熊谷「・・・・・・・・・・」
大石「ま、いいでしょう。診療所に行っても無駄です。きっとここに戻って来るか、家に帰ると思いますよ」
熊谷「やはり、竜宮レナには話しておくべきでは・・・?」
大石「これ以上余計な心配をかけたくなかった・・・・なぁんて今更言っても、彼女は信じてくれないでしょうね・・・」


レナ「はっ・・・はっ・・・・ん・・沙都子ちゃん・・・!」
レナ「待っててね・・・! レナが守るから・・・!!」
レナ「はぁっ・・・はぁ・・・すみませーん!!」
レナ「・・・・・・・・・・」
レナ「・・・いない?」
レナ「すみませーん!! 誰かいませんかー!!」
レナ「・・・・・・・」
レナ「・・・・あ・・・裏口なら」
レナ「インターホンは・・・・んしょ」
ピンポーン ピンポンピンポーン
レナ「・・・・・・・・・・」
「はい、どちら様でしょう?」
レナ「あ、あの! 竜宮といいます。沙都子ちゃんのお見舞いに来たんです! だから!」
「北条沙都子さん、ですか? それなら・・・・」
レナ「・・・・・・・・えっ・・・・?」


熊谷「大石さん、検死結果が出ました」
大石「どうですぅ? 薬物反応なんて、無かったでしょ?」
熊谷「予想的中、みたいっすよ」
大石「なっはっはっは! いやーな予感だけは当たっちゃうんですよねぇ。んっふっふ!」
熊谷「あと、凶器から園崎詩音の指紋が見つかりました」
大石「・・・は?」
熊谷「間違いないみたいです。それ以外で、園崎魅音の指紋も見つかりました。凶器に付着した血痕は園崎魅音本人だと確認も取れたみたいです」
大石「・・・犯人は用意周到な人間なんでしょうかねぇ」
熊谷「指紋を付けない様に偽装するのは、当然じゃないんですか?」
大石「まぁそうかもしれません・・・・ですが私にはね、どうしてもわからない事があるんです。何故、魅音さんは抵抗しなかったんでしょうねぇ・・・?」
熊谷「園崎魅音には争った形跡どころか、衣服の乱れさえありませんでした。まるで彼女は・・・・」
大石「刃物を突き付けてきた犯人に、彼女はまったく抵抗する素振りも見せず、殺されてしまった」
熊谷「変ですね・・・・おかしいっす・・・」
大石「何らかの理由があったんでしょうね。その理由に関してはまったく見当がつかないわけですが・・・・」
熊谷「まるで、自分の死を受け入れたかの様に見えてしまいますね」
大石「まさか、とは言い切れませんが・・・・その可能性は否定出来ませんねぇ。今年の事件、私達の心得ている常識だけでは解決出来る代物じゃあないんです。ありえない事が度々起こってしまった・・・・・これが現実です」


熊谷「次に園崎詩音ですが・・・・こちらは謎だらけです」
大石「死因はアレですよか。出血性ショック死であってますぅ?」
熊谷「バッチリっす。富竹ジロウと同じく、自分の爪で喉の血管を引き裂き死んでしまった」
大石「薬物反応は無し・・・・富竹と同じ点はありますが、わからない事だらけです。彼女、魅音さんと同じ現場に倒れていましたよねぇ・・・・・」
熊谷「はい。園崎魅音に覆い被さった形で亡くなっています」
大石「何故、詩音さんには暴行の痕がなかったんでしょうねぇ」
熊谷「富竹の死とは別、って事ですか?」
大石「そうとは言い切れませんが・・・・まぁ今はこの話はいいでしょう」
熊谷「でも・・・・あの死に方は普通じゃないっすよ」
大石「正気の沙汰とは思えません。ましてや、それが二人も」
熊谷「二人には何か共通点でもあったんすかねぇ?」
大石「さぁて、どうでしょうね。薬物で錯乱状態に陥ってしまい、興奮のあまり自殺してしまった、これが一番しっくりするんですけどねぇ」
熊谷「ですが薬物反応は無し。何がなんやら・・・」
大石「テレビの名探偵が現実にいてくれたなら、きっと事件を解決してくれるんでしょうが・・・・いやはや、これに関してはお手上げですよぅ」
熊谷「一体、あそこで何があったんすかね・・・」
大石「・・・・案外、見当外れだと思われる考えが真実なのかもしれません。・・・・まさか、ね」


沙都子「・・・・・・・・・・」
沙都子「どこにいますの・・・圭一さん・・・・」
沙都子「圭一さんが隠れていそうな所なんて・・・・・もうありませんわ・・・」
沙都子「ゴミ山は・・・・ぅぅ・・・この時間はあまり近付きたくありませんわぁ・・・・」
沙都子「あとは裏山くらいですわね」
沙都子「・・・・なんだかどっちもどっちですわね」
沙都子「・・・んん・・・・」
沙都子「裏山ですわ! なんだかあそこにいる様な気もしてきましたの・・・・圭一さん」
沙都子「待っていてくださいまし。沙都子は、もうすぐ会いに行きますわ・・・・にーにー・・・!」


レナ「沙都子ちゃん・・・・何処に行っちゃったんだろ・・・」
レナ「どうして皆いなくなっちゃうの・・・・・!!」
レナ「もういや・・・・こんな世界・・・! 助けて・・・・・・・助けてよ・・・圭一くん・・・・!」
レナ「圭一くんは生きてる・・・・何処で?」
レナ「レナにはわかる。圭一くんは雛見沢にいる」
レナ「待っててね圭一くん。早くレナが見つけてあげるから」
レナ「もっと早くこうしていればよかったな・・・・」
レナ「圭一くんが見つかったら・・・・きっと皆も帰って来てくれるよね? レナを独りぼっちになんてしないよね? ・・・・あははは。レナ、何を言ってるんだろ。・・・・だろ」
レナ「・・・まっててね、けぇいくん」


沙都子「・・・・・・・・・」
沙都子「こんな広い場所を一人で捜すなんて・・・・」
沙都子「よく考えてみれば、圭一さんが裏山に隠れる理由がありませんわ。それにここは私自慢のトラップゾーンですし・・・・」
沙都子「こんな危険な場所に身を隠す人間が何処にいまして・・・」
沙都子「・・・・ダメですわね。もっと冷静になって考えなければ・・・んん・・・・」
沙都子「・・・・んん・・んー・・・・・・・んっ・・・・んんんっ・・・・」
沙都子「だ、ダメですわぁ! まったく見当がつきませんわよぉ!」
沙都子「んん! んん・・・・はぁ・・・」
沙都子「やっぱりゴミ山に行くしかありませんわね・・・・」

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