8章 その2

魅音「み、みんなー! 大変だーっ!!」
レナ「魅ぃちゃん? どうしたのかな?」
魅音「いやさ、気分を変えようとお風呂に入ったまではよかったんだけどさー」
沙都子「・・・・・・・まさか」
魅音「あ、あはははは・・・・気持ちよくなっちゃってそのまま寝ちゃったみたい・・・」
沙都子「な、なんですってぇーっ!? そんな理由で皆さんを待たせていましたの!?」
レナ「うーん・・・・これはレナでも許せないかも。あはははっ」
梨花「・・・・呆れた」
魅音「あ、あははははは! まぁまぁ。反省はしてるみたいだしさ。そうだよね?」

ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい
ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい


レナ「んんっ・・・・沙都子ちゃん、大丈夫?」
沙都子「何度も言ってましてよ。私は大丈夫ですの」
レナ「そうだね・・・・そういえば、沙都子ちゃんは自分の家に帰るのかな? かな?」
沙都子「えぇ、きっと私が診療所を抜け出した事はもう村中に知れ渡っている筈ですわ。きっと梨花は、怒っていますわよね・・・・・・」
レナ「・・・・・・・・・・」
沙都子「圭一さんを見つけて、直ぐに診療所に戻るつもりだったんですの。皆さんに迷惑を掛けたくはなかったので・・・・・・情けないですわね。こうして、レナさんに助けてもらっていますもの・・・」
レナ「・・・・あ・・・!」
沙都子「・・・? どうなさいましたの?」
レナ「う、うぅん! 何でもないよ!」
沙都子「そうですの? まぁいいですわ」
レナ「・・・・沙都子ちゃん、今日はレナのお家に泊まらないかな?」
沙都子「レナさんの? それは・・・・迷惑でしょう?これ以上レナさんに、」
レナ「沙都子ちゃん! きっとね、梨花ちゃんは怒ってるよ」
沙都子「そう・・・・ですわよね・・・」
レナ「沙都子ちゃんが謝っても許してくれないかもね〜」
沙都子「・・・・・・・・・」
レナ「あはははっ、ごめんね。冗談だよ。でも、今日はレナのお家に泊まってほしいな」
沙都子「ど、どうしてですの?」
レナ「ほら、梨花ちゃんになんて謝るか・・・・まだ考えてないんだよね?」
沙都子「えぇ・・・・まぁ」
レナ「沙都子ちゃんの気持ちが、梨花ちゃんの心にちゃーんと届く様な言葉を考えてみようよ!レナも手伝うからさ。だから・・・・・ねっ?」
沙都子「で、でもっ! 梨花はきっと・・・・」
レナ「大丈夫だよ沙都子ちゃん。梨花ちゃんには電話で伝えておくから。きっと沙都子ちゃんが無事ってわかれば、梨花ちゃんも安心すると思うな」
沙都子「・・・・・・・・・」
レナ「ね? だから、今日はレナのお家に泊まろ?」
沙都子「迷惑じゃ・・・・ありませんの?」
レナ「あはははっ! レナもお父さんも、全然迷惑じゃないよ〜それに、今夜はレナが沙都子ちゃんを独り占め出来るだよ! えへへ、おっもちかえりぃ〜♪」
沙都子「・・・・ありがとうございますわ、レナさん」
レナ「お礼なんていいよ。沙都子ちゃんが無理をしてるって、レナにはわかるんだよ?」
沙都子「無理なんて・・・そんな・・・・・・」
レナ「・・・・大丈夫だよ沙都子ちゃん。今夜はレナも一緒だから・・・大丈夫だよ」
沙都子「レナさん・・・!」
レナ「うふふ、今夜は寝かさないからね〜☆」
沙都子「れ、レナさん・・・?」


レナ「ただいまー」
沙都子「お邪魔致しますわ・・・」
レナパパ「お帰り礼奈。そちらは・・・えっと?」
レナ「レナのお友達の沙都子ちゃんだよ」
沙都子「は、はじめまして。北条沙都子と申しますわ」
レナパパ「これはこれは。どうもはじめまして。礼奈がいつもお世話になっております」
沙都子「お世話だなんてそんな・・・・レナさんにはいつも私がお世話になっていますの。こちらこそ、ですわ」
レナパパ「ははははっ。沙都子ちゃんは偉いね。まだ小さいの言葉使いがちゃんと出来てる」
沙都子「あ、ありがとうございますわ」
レナ「うふふ、沙都子ちゃんかぁいぃよね〜」
レナパパ「ははははっ。そうだ礼奈、さっき本屋さんから電話があったぞ。留守って言ったら、また後で掛けるって」
レナ「本屋さん? レナは本屋には行ってないよ」
レナパパ「そうなのか? ・・・たしか、興野宮書房の大石さん・・・・だったかな?」
レナ「あっ、思いだしたよ。この前興野宮に皆と遊びに行った日にね、欲しかった本を予約してたの」
レナパパ「そうなのか。じゃあ、本屋さんから電話にお父さんが出たら、礼奈に伝えるよ」
レナ「うん、お願いねお父さん」
沙都子「れ、レナさん? 大石さんって・・・・」
レナ「じゃあレナのお部屋に行こっか。こっちだよ〜」
沙都子「レナさん! ・・・・?」
レナパパ「なんだか今日の礼奈は嬉しそうだなぁ」
沙都子「そうなんですの?」
レナパパ「機嫌が良い時の礼奈は、ああやって身振り手振りが大きくなるからね」
レナ「はうぅ〜☆ 沙都子ちゃ〜ん!」
沙都子「れ、レナさん・・・・これは・・・・・」
レナ「えへへ、どうかな? かぁいぃよね〜」
沙都子「以前より確実に増えてますわね・・・・」
レナ「あはははっ、最近は全然部活やってないでしょ?だから宝探しによく行ってたの。えへへ、たっくさんかぁいぃの見つけたんだよ〜はぅ〜」
沙都子「す、凄まじいですわね・・・」
レナ「ほらほらぁ! これなんかどうかな? きっと沙都子ちゃんも気に入ると思うよ〜」
沙都子「そ、そうですわね。よーく見れば、かわいいのかもしれませんわ・・・・よーく見れば」
レナ「だよねだよね〜! それより、レナのコレクションに沙都子ちゃんを加えたいんだよ〜!! ダメかなぁ??」
沙都子「わ、私は物ではございませんわぁ!」
レナ「いいんだよ〜沙都子ちゃんはこうやってレナのお部屋にいるだけでいいんだから〜・・・はぅ・・」
沙都子「こんな所に監禁されでもしたら、息苦しい事この上ありませんわ・・・・」
レナ「沙都子ちゃ〜ん!!」
沙都子「むぎゅ!」
レナ「れ、レナね! も、ももももう、ががががが我慢出来ないよぉ〜!! 沙都子ちゃ〜ん!!」
沙都子「ぷあっ! や、やめてくださいまし!」
レナ「沙都子ちゃ〜ん!」
沙都子「むがっ!」
レナ「かぁいぃよぉ・・・・かぁいぃよぉ・・・」
沙都子「・・・・ぐはっ・・・」
レナ「うふふ、今夜はレナが独り占めぇ〜☆」
レナパパ「礼奈ー、本屋さんから電話だぞー」
レナ「はーい! 直ぐに行くよー!」
沙都子「・・・・・・ぅぅ・・・・」
レナ「ちぇーっ、もうちょっと沙都子ちゃんを堪能したかったのにぃ・・・・」
沙都子「た、堪能されるのは勝手ですが、やられる側の私の身も考えてほしいですわぁ・・・・・」
レナ「あはははっ、ごめんね。直ぐに戻るから」
沙都子「・・・もしかして、レナさんは最初から私をお持ち帰りする気だったんじゃありませんの?」
レナ「さあ? どうだろうね〜あはははっ!」
沙都子「まったく・・・・」
レナパパ「礼奈ー」
レナ「はーい、今行くからー」


レナ「もしもし、変わりました」
大石「夜分遅くに申し訳ありません。私、興野宮書房の大石と申します。・・・・竜宮レナさん?」
レナ「・・・・・・・・・・」
大石「これはつい先程わかった事実です。園崎魅音さん、彼女は腹部に刃物による刺し傷がありましたよね?」
レナ「はい。それが何か?」
大石「実はそれ以外にもね、あったんです。外傷が」
レナ「・・・・・・・・・・」
大石「先ず両手に巻かれた包帯。これね、どうして両手にぐるぐる巻きされてたと思いますぅ?」
レナ「・・・・・・・・・・」
大石「爪がね、剥されていたんですよ。両手の爪、全てが」
レナ「・・・・・・・・・・」
大石「竜宮さん? ちゃんと聞いてますぅ?」
レナ「・・・・」
大石「・・・・まぁいいでしょう。次に彼女の背中や脇腹、ほんの僅かですが頭にも外傷がありました。彼女、髪の毛長いでしょう? 一部ごっそり抜けてたんですよ。一部だけ、ね
レナ「・・・・・・・・・・」
大石「これね、本当は言いたくなかったんですが・・・・あなた、何か知ってるんじゃありません?」
レナ「・・・・・・・・・・」
大石「・・・・答えなくても結構です。私は別にあなたが園崎魅音に暴行を加えたと疑っているわけではありません。ご安心を」
レナ「・・・・・・てる・・・に・・・」
大石「はい? 何か言いま、」
大石「・・・・竜宮さん、落ち着いて下さい」
レナ「わかってるくせに・・・! なのに・・・・こんな回りくどい言い方を・・・・・!!」
大石「落ち着いて下さい。私の話を聞いて、」
レナ「うるさい! うるさいうるさいうるさい!!」
大石「竜宮さん、落ち着いて。話には続きがあるんです」
レナ「・・・・・・・・・・」
大石「私はね、最低の人間に成り下がってしまいました。刑事としてもね。熱い刑事魂なぁんて・・・・拘っていた時期もありました」
レナ「・・・・・何が言いたいんですか?」
大石「単刀直入に言いますよ。私はね、あなたを逮捕する気なんて、まったくありませんよ」
レナ「・・・・・・・・・・」
大石「やっぱり・・・・信じられませんか?」
レナ「・・・・・・・・・・」
大石「なっはっはっは! そりゃあそうですよね。私のやってきた事を考えれば、竜宮さんの答えはきっとそうなりますから・・・・はははっ」
レナ「・・・・私は・・・信じてもいいですよ」
大石「ほ、本当ですか?!」
レナ「だって、大石さんがその気になれば私を無理矢理にでも警察に連れて行ける筈です。でも、大石さんはそれをしなかった」
大石「ありがとうございます・・・・竜宮さん」
レナ「何か理由があるんですよね?」
大石「えぇ、まぁそれなりのね」
レナ「電話で話せる内容ですか?」
大石「こちらとしては、直接会って話をしたいと思っているんですが」
レナ「今、ですか?」
大石「はぁい、今直ぐにです。無理そうですか?」
レナ「ごめんなさい。先程も言いましたけど、友達が家に来ています。放っておくわけにはいきません」
大石「その友達とは・・・・誰です?」
レナ「・・・・・・・・・・」
大石「言えませんか・・・・」
レナ「・・・・・沙都子ちゃん」
大石「ほ、北条沙都子ですって?!」
レナ「・・・はい。偶然、沙都子ちゃんと会えました」
大石「偶然も何も・・・・彼女は丸一日失踪していた筈では・・・!」
レナ「どうやら沙都子ちゃんは、圭一くんを捜していたみたいです」
大石「前原さん・・・? それはどうして?」
レナ「・・・・それは・・・・・・・」
大石「いや・・・・別に何でもいいでしょう。それよりも明日はどうです? お時間を頂けませんか?」
レナ「学校が終わってからでも・・・・いいですか?」
大石「えぇ、構いませんよ。場所は・・・・何処にしますぅ?」
レナ「私もやりたい事があるので、出来れば雛見沢に来て頂きたいと思います。駄目ですか?」
大石「わかりました。では明日、こちらからお迎えに参ります。よろしいですか?」
レナ「はい、お願いします」
大石「ご協力、感謝しますよぅ。んっふっふっ〜」
レナ「・・・・それと大石さん、圭一くんの捜索はどうなっているんですか?」
大石「・・・実はですね」

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